ジオニックトヨタ・シャア専用オーリスには開発バックストーリーがあった!?

シャア専用オーリスは現在、市販化に向けて急ピッチで開発が進んでいます。

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ジオニックトヨタでは、その過程を開発バックストーリーとしてFBとスペシャルサイトで公開しているのですが、その内容がいま面白いと話題です。ガンダムファンでもそうでなくとも十分に楽しめるし『機動戦士ガンダム』の知識があればあるほど読み込める内容です。

 

そして、ガンダムの世界観を面白く表現しているだけでなく、自動車開発のリアルな現場を垣間見ることができるということにおいても興味深い読み物となっています。

 

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このジオニックトヨタプロジェクトに注目中のクリッカー編集部は、シャア専用オーリス開発バックストーリーの一部をご紹介します。

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第1話 「プロジェクト・シャア専用オーリス始動!!

シャア専用オーリス開発バックストーリー01

〈あらすじ〉

ジオン公国とトヨタ、それぞれの思惑が錯綜する中、いよいよ始動したジオニックトヨタによるシャア専用オーリスプロジェクト。果たしてプロジェクトチームは、ジオン公国軍エースパイロットが納得できるクルマを開発できるのか!?

第1話で特筆すべき部分は下記のくだり。ジオン公国はなぜトヨタと手を結んだのかが克明に記されています。

国力に劣るジオン公国にとって、地球侵攻作戦以降の戦線の拡大は膨大な負荷となっていた。主力兵器としてのMS開発は順調に進んではいるものの・・・【略】

 一方、トヨタも商品であるクルマに新しい価値を見出すために、新しい発想によるアプローチを必要としていた。トヨタは「トヨタ生産方式」と呼ばれる効率化された生産システムを持つ大企業であり・・・【略】

ジオンにとってこの「トヨタ生産方式」は統合整備計画に必要不可欠なノウハウであった。そして、トヨタにとってもジオン軍のMSに見られる先進的な技術力は魅力的なものだった。双方のメリットが一致すれば、ジオニックトヨタが誕生するのに時間はかからなかったのである。

まさに互いが求めるコラボレーションが実現、ここにジオニック社とトヨタが手を結んだのです。

 

ところで。トヨタ生産方式とはクルマに限らず世界中の製造業が注目する方式で、その柱となるのが“7つのムダ”削減、ジャストインタイム、自働化となります。よく経済誌などで見られる「カイゼン」はまさしくこのトヨタ生産方式を言い表したもので、ドイツのポルシェはこの「カイゼン」で経営破たんから脱却したことはあまりにも有名です。 

このトヨタ生産方式をモビルスーツ製造に取り入れてコストを抑えることによりジオン公国は軍事力を維持しようと考えるに至るわけですが、深読みすれば、シャア専用オーリスはこの壮大な計画を隠蔽するための囮?としての使命も併せ持っているという、実は作戦的に非常に重要なポジションの開発ということになっているのではないか?という、筆者にはツボな妄想要素を捕捉してしまいました。


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第2話 「赤い彗星とオーリス Part.1」

シャア専用オーリス開発バックストーリー02

〈あらすじ〉

ジオニックトヨタによるシャア専用オーリスの開発がスタートした。アドバイザーに就任したシャア・アズナブル少佐は、まずオーリスというクルマそのものを知るため、テストコースで実車と初対面となるが……!?

ここではシャア少佐の乗り物に対するパイロットとしての価値観を示すくだりを紹介しましょう。

「MSの操縦よりも複雑な感じだな」

シャアは少し笑ったが、その目は真剣なものになっていた。たとえクルマであっても、このような乗り物を前にすると血が沸きたつのがパイロットの宿命なのだろう。どんな性能なのか、これを思い通りに動かすことができるかどうか、自分の操縦技術を試す挑戦である限り、パイロットとしてのシャアが手を抜くことはあり得ないのだ。

『機動戦士ガンダム』に登場する、スペース・コロニーのような密閉空間では、排気を伴う内燃機関を搭載した車両はあまり見られず、移動手段はエレカという電気自動車がメイン。そのためオーリスの様な内燃機関を持った自動車は極めて珍しい存在となります。

私たちにとってはごく普通の乗り物であっても、スペース・コロニーや月面基地では極めて珍しい乗り物である自動車。それもスポーツグレードであるオーリスRSのマニュアルシフト車を目の前にしたとき、モビルスーツを自在に操るシャア少佐は慣れていない操作体系であっても乗りこなしてやろうという気持ちになってきている、というわけです。
大げさに言えばプライドをかけた戦いに臨んでいくという心境に近いものかもしれません。

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第3話 「赤い彗星とオーリス Part.2」

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 〈あらすじ〉
ヘルメットを脱いだシャアは、オーリスの試乗を開始した。当初の予想を裏切り、スポーツグレードのオーリスRSを難なく乗りこなすシャア。しかし、開発チームが求めるものはスポーツカー的な高性能ではなかった……。

 開発スタッフが求めるものの真意を打ち明けらるくだりに注目してみましょう。

「ならばなぜ、モビルスーツのパイロットである私を呼ぶのだ? 運動性能の向上こそが私を開発チームに呼んだ最大の理由ではないのか?」
「モビルスーツという機動兵器の操縦は選ばれた者にしかできません。その非日常の感覚を、オーリスという日常使いも可能なクルマに取り入れたいんです。非常に観念的なお話で恐縮なのですが……」

制限速度を守りながら「赤い彗星の一撃離脱戦法を感じさせる走り」を実現すること、これが彼ら開発スタッフたちの目標なのである。

「……なるほど、この環境でモビルスーツを感じるのか。これはニュータイプでもなければ不可能だな」 

シャア専用オーリスのベースとなるオーリスは走行の基本性能の高さには定評があり、一方で後席の居住性も満足できるユーティリティーに優れた5ドアハッチバックでもあります。特にRSはマニュアルシフトのスポーツグレードですが、だからといってシャア専用オーリスが目指すのは、限界域を攻め込むようなハードなスポーツカーやレーシングカーとは違うはずです。
そこで開発チームが求めているのは非日常を日常の中に感じられるクルマ、「誰もがモビルスーツを感じられるクルマ」というわけです。この感覚を理解でき開発チームに伝えることができるのはシャア少佐しかいない。この熱い思いに共感しアドバイザーとして開発に参画するシャア少佐が納得するシャア専用オーリスとは? 謎解きのようにコンセプトから次第に明らかになり、期待が高まってきます。

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第4話「私を導いてくれ…!!」

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〈あらすじ〉
シャア専用オーリスの目指すべき方向性について、シャアは解決策を出せずにいた。苦悩するシャアに、ジオニックトヨタの社員から奇抜なアイデアが提案される!!

ガルマ・ザビ大佐も登場しジオン公国のアウトラインも見えてきた第4話。シャア少佐はジオニックトヨタ社員からのいくつかの提案に目を通しました。ここではその内容に注目してみましょう

―――社員案―――
通常の3倍のスピードが出せる
燃費が3倍いい
ヘッドライトがモノアイ。もちろん可動式
タイヤなんて飾りです。偉い人には(後略)
大気圏には突入できますか?
●S
型と同じブレードアンテナを装備
動力パイプをボディ外側に出す

「ヘッドライトがモノアイ」というところはオーリスのグリルからヘッドライトに連なる流れの、その中心に置かれたエンブレムがそうなっていく可能性を感じさせます。筆者の個人的なアイデアとしてはモノアイに当る部分をプリクラッシュセーフティシステムのレーダーアンテナとするのもアリではないかな?という気もします。
そしてシャア少佐といえば「MS-06ザクII」での活躍が印象的ですが、そのシンボルともいえるものが「ツノ」。これは必須部分であることは間違いないでしょう。実際にシャア専用オーリスコンセプトに装備されたブレードアンテナは、クルマ全体の雰囲気を一層引き立てています。
なお「シャア専用」といえば「通常の3倍」という言葉も外せない気がしますが、「通常の3倍」説は諸説あるためにそれがどう具現化するのか、想像していると楽しみが膨らみます。

そして、この社員からの「3倍」というアイデアに着目したシャアの台詞が面白いのです。

「フム……この3倍の~というのが多いようだが、なぜ3倍のスピードなんだ?」

ええええええ~~~~!? シャア少佐!そのご発言の真意はぁ???

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いかがだったでしょうか?

バックストーリー第8話では、あの人気キャラクターまでもが、自分専用のオーリスを想像しはじめます。その一部が、こちら。

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ジオニックトヨタ特別広報部員アイリン・フルカワも自分専用オーリスのデザインに挑戦!

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 シャア専用オーリスのスペシャルサイトでは現在8話まで、そしてジオニックトヨタのfacebookページでは11話までの開発バックストーリーを読むことができます(7月3日現在)。『機動戦士ガンダム』の本編ともストーリーとも連動し、思いもよらない展開に進むこともあるので、目が離せなくなること必至。ジオニックトヨタのfacebookページで先行公開されてからスペシャルサイトに掲載されるので、要チェックです。(なおジオニックトヨタfacebookページはfacebookに登録していなくても読むことができます。コメント等はfacebookへの登録・ログインが必要です)

 <ジオニックトヨタfacebookページ>http://www.facebook.com/zeonictoyota

さらに、facebookタイムラインでなく、ゆっくりと読みたいかた向けにはスペシャルサイトがおススメです。

<シャア専用オーリススペシャルサイト・バックストーリー>http://netz.jp/char-auris/backstory/

 (北森 涼介)

 

 

(C)創通・サンライズ (C)TOYOTA

 

 

この記事の著者

松永 和浩 近影

松永 和浩

1966年丙午生まれ。東京都出身。大学では教育学部なのに電機関連会社で電気工事の現場監督や電気自動車用充電インフラの開発などを担当する会社員から紆余曲折を経て、自動車メディアでライターやフォトグラファーとして活動することになって現在に至ります。
3年に2台のペースで中古車を買い替える中古車マニア。中古車をいかに安く手に入れ、手間をかけずに長く乗るかということばかり考えています。
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