先日25日にデビューした新型ゴルフが注目を集めている。新型ゴルフのデビューにより国内市場ではより一層Cセグメントが賑わいを見せているが、今年、日本に上陸した数あるCセグメントの中でも世界、とりわけ本場である欧州で多くの支持を集めているのが、フォードが送り出すFOCUS(フォーカス)です。1998年の初代以来、世界で1000万台を突破したグローバルモデル。3代目となる新型FOCUSも120か国以上でリリースされ、EU19か国のCセグメントのシェアではゴルフにつぐ2位、単一の車名別では、販売台数で世界No.1の座を獲得しています。
その魅力はいくつもありますが、今回はフォードの「キネティック・デザイン」による躍動的なスタイリングについてフィーチャーします。
FOCUSが属するCセグメントモデルには、フォルクスワーゲン・ゴルフという強力なライバルが存在します。ゴルフも7代目の新型にスイッチしており、このクラスのベンチマークであることは衆目の一致するところ。
そんなライバルたちとFOCUSを比較してみると・・・。
ゴルフは歴史あるモデルらしく、シャープさを増しながらもプレーンなフォルムで、基本的には先代のイメージを踏襲しているのに対し、新型FOCUSは写真で見るよりもダイナミックという印象を受けました。
フォルクスワーゲン・ゴルフの魅力は、年配の方でも安心して乗れるブランドや知名度力とクセのない内・外装デザインでしょう。
クーペのようなスタイリッシュなフォルムといえば、こちらも新型となるボルボV40も忘れてはいけませんが、FOCUSはよりロー&ワイドなフォルムが強調されていて、ほかのCセグメントに属するライバルとは一線を画すスポーティさに満ちているな、というのが私の初対面の印象でした。
エクステリアはもちろん、フローティングセンタースタックに代表されるインテリアのスカンジナビアン・デザインはクールな印象が感じられるのが身上です。
その第一印象の理由は、フォード・ヨーロッパのデザインチームが提唱したという「キネティック・デザイン」にあります。「キネティック・デザイン」とは、フォード自慢のドライバビリティを造形で表現するコンセプトで、フォードでは台形を効果的に採り入れるデザインテーマを掲げています。
実際にフロントで目を惹くのは、上下に2分割された台形グリルとシャープなヘッドライトで、これが「キネティック・デザイン」のポイント。台形グリルからボンネットへと連なるV字型のラインもまた台形に見えるようにデザインされています。
サイドビューでは、後方に向かって伸びやかにせり上がっていくベルトラインとウインドウ下端のクロームモールがスポーティさを強調しています。さらに、Aピラーの下から延びるキャラクターラインは、ドアハンドルを貫くように描かれており、より鋭さを感じさせるポイントになっています。
一方で最近のCセグメント車は、フロントマスクを強調する割にリヤは素っ気なく感じるほどシンプルにデザインされる傾向にあります。しかし、新型FOCUSは、ボディサイドから前方にまで大きく回り込んだテールランプにもキネティック・デザインを反映させ、大型リヤスポイラーによるアグレッシブな印象を与える凝った造形になっていて、後ろ姿にも目を奪われます。
輸入車のCセグメントに手を伸ばそうと考えている人は、ほかにはない個性も欠かせない購入の決め手のひとつになりえます。フォード「FOCUS」のキネティック・デザインによる躍動感あふれるスタイリングは、スポーティ指向の方にとって魅力的に映るでしょう。
■フォード・ジャパン・リミテッド
■フォード FOCUS特集
https://clicccar.com/ford_focus/
(塚田勝弘)