初めての自動車とお酒業界のコラボ!?日産と養命酒が鶴ケ島市で災害時の電源確保 !

埼玉県の鶴ケ島市で「養命酒製造(株)」がメガソーラー(大規模太陽光発電)施設を建設中。埼玉県は快晴日が多いことでも有名で、年間の快晴日数が日本一。

(出展 鶴ヶ島市)

養命酒製造は2006年3月に埼玉県から長野県駒ケ根市に工場を移転したため、鶴ケ島市の工場跡地利用の方法を模索していましたが、昨年9月、ここに約8億円をかけてメガソーラー施設を建設、発電事業を始めると発表。 

これは政府の再生可能エネルギー固定価格買取制度を受けて異業種から太陽光発電事業に参入するもの。CO2削減量約945t/年を見込んでいます。 

(出展 鶴ヶ島市)

同社は敷地約4ヘクタールに太陽光パネル約1万枚を設置。発電出力は約1,990kWで、一般家庭400~500世帯分の年間電力消費量を賄う発電量 約262.5万kWhを全量東京電力に売電する計画と言います。 

完成すれば全国的にも珍しい市街地のメガソーラー施設に。

日産自動車販売

一方、鶴ヶ島市は環境に優しく災害に強い街作りを目指すべく、養命酒製造(株)のほか、地元の日産自動車販売会社3社(埼玉日産自動車、日産サティオ埼玉、日産プリンス埼玉販売)との間で、2013年3月25日に災害時における電気自動車による電力の供給、電気自動車の普及促進に関する協定を締結。 

(出展 鶴ヶ島市)

東京新聞によると養命酒製造のメガソーラー施設内に停電時も利用できるEV用充電器を設置予定で、EV普及による温暖化ガス削減と災害時の電源確保の一石二鳥を狙う計画とか。 

また鶴ケ島市は本年6月7日、EVを購入した市民に10万円を補助し、購入者が災害などでの停電時に避難所でEVから電力供給することを約束した場合、更に市内で買い物に使えるクーポン券3万円分を交付すると発表。 

これにより、充電時間8時間タイプ(200V)のEV充電器設置費用(約9万円)を補助金で賄えることに。 

また、EVから家庭に電力供給する充電システムの場合、約50万円が必要となりますが、国の補助と市の補助を差し引くと約22万円で設置出来るとしています。 

日産 リーフ

鶴ケ島市は自動車販売会社3社と、市内在住・在勤者、市内事業所を対象に展示車などを割安で販売する特別優待制度の協定も結んでおり、災害時に電力供給できるEVを増やしたい考え。 

補助金支給期間はEV購入と買い物クーポン券交付が今年4月1日から来年2月末まで。特別優待制度は7月1日からの予定。 

クリーンエネルギー車の普及と災害時の電力確保、更にはメガソーラー発電によるCO2削減を兼ね合わせた鶴ケ島市の取組みは今後他地域のモデルケースになるのかもしれません。 

■鶴ヶ島市 広報サイト
http://www.city.tsurugashima.lg.jp/hisho_seisakuka/kyoutei.html 

■養命酒 メガソーラー事業概要
http://www.yomeishu.co.jp/company/pdf/20120918-TAIYOUKOUHATSUDEN.pdf

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 (Avanti Yasunori) 

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この記事の著者

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Avanti Yasunori

大手自動車会社で人生長きに渡って自動車開発に携わった後、2011年5月から「clicccar」で新車に関する話題や速報を中心に執筆をスタート、現在に至る。幼少の頃から根っからの車好きで、免許取得後10台以上の車を乗り継ぐが、中でもソレックスキャブ搭載のヤマハ製2T‐Gエンジンを積むTA22型「セリカ 1600GTV」は、色々と手を入れていたこともあり、思い出深い一台となっている。
趣味は楽器演奏で、エレキギターやアンプ、エフェクター等の収集癖を持つ。
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