14代目クラウン事前受注の60%がHV! 狙いはミニバン保有層!

14代目クラウンが「Re BORN」して登場 ! ハイブリッド車の燃費は23.2km/L !」でお伝えしたとおり、トヨタ自動車は12月25日、同社旗艦車種の「クラウン」を4年10ヶ月ぶりに全面刷新して発売しました。 

14代目となる今回の新型クラウンに課せられた使命は従来より若い顧客層を開拓して縮小が続く国内の高級車市場を回復させる「起爆剤」的な役割を担う事と言います。

初代(1955年発売)から通算するとクラウンの販売台数は約520万台。しかし近年ではクラウンと言えども、かつてのように新型が出る度に乗り換える時代では無くなっているのが実情。

新型の挑戦的なフロントマスクに代表されるとおり、従来の高級車のイメージとは趣が異なったものとなっていますが、その変化の背景には、ユーザーの中心層であるシニアクラスがHVなどの小型車へ移行するケースが増えており、高級車の販売において新たなユーザー層の掘り起しが必要となっている現実があります。

トヨタ クラウン アスリート

「Re BORN」のキャッチコピーが示すとり、「トヨタもクラウンも生まれ変わらないといけない」と豊田章男社長は強調します。

大型車の燃費が悪いのは当たり前といった図式は今の時代では通用せず、高級車にも割安感と低燃費が求められるようになったことを受けて、新型クラウンでは3.0Lエンジン搭載モデルを廃止するなど排気量のダウンサイジングを決行。

HVモデルについても従来のV6 3.5Lエンジンから4気筒2.5Lエンジンへダウンサイジングして約66%燃費を向上(JC08モード14.0 → 23.2km/L)、価格も77~130万円ほど引き下げて通常モデル比で53~60万円高に抑えています。

これが功を奏して月販目標の4000台に対して事前受注が既に約1万200台に達しているようで、うち約6割をHVモデルが占めている模様。

トヨタは約100万人とされるクラウンユーザーの買い替えを促すには従来の中心を占める50代以上のシニア層から大型ミニバンを所有する40代のミドル層へターゲットを広げる必要があるとみているようです。

最新の衝突回避システムを装備、さらには小型車並の燃費まで獲得した新型クラウンの今後の販売動向が注目されます。

■新型クラウン ロイヤルシリーズ公式HP
http://toyota.jp/crownroyal/index.html?ptopid=men

■新型クラウン アスリートシリーズ公式HP
http://toyota.jp/crownathlete/index.html 

Avanti Yasunori) 

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この記事の著者

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Avanti Yasunori

大手自動車会社で人生長きに渡って自動車開発に携わった後、2011年5月から「clicccar」で新車に関する話題や速報を中心に執筆をスタート、現在に至る。幼少の頃から根っからの車好きで、免許取得後10台以上の車を乗り継ぐが、中でもソレックスキャブ搭載のヤマハ製2T‐Gエンジンを積むTA22型「セリカ 1600GTV」は、色々と手を入れていたこともあり、思い出深い一台となっている。
趣味は楽器演奏で、エレキギターやアンプ、エフェクター等の収集癖を持つ。
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