以前に「日産が年末にリーフをビッグマイチェン!? 電費・外観を大幅に改善」でいち早く日産リーフの改良に関する情報をお届けしましたが、11月20日付けで日産が正式にマイナーチェンジを発表しました。
それによると、車両外観には特に目立つ変更が無いものの、中身は約80kgに及ぶ大幅な軽量化や回生性能の向上、省電力暖房(ヒートポンプ式)システムなどの採用によりJC08モードで200kmだった航続距離が14%増となる同228kmにまで改善されています。
車両後方に分離されていた充電器はモータールーム内に移動され、DC/DCコンバーターやジャンクションボックスと統合、PDM(モジュール)化によりラッゲージルーム容量が拡大。
そして今回、同社が特に強調するのが、「レアアース使用量の削減」。
先日、「日本の自動車各社が中国産レアアースからの脱却を加速 !」で自動車関連企業、大学等に於ける脱レアアースへの取組み状況をご紹介したばかりですが、日産に於いてもリーフのマイチェンで動力性能を犠牲にすることなくモーターに使用されている「ジスプロシウム」の使用量を従来比で約40%削減したと言います。つまりモーターが新設計。
「ジスプロシウム」はモーターに使用されている「ネオジム磁石」の耐熱性を高めるために添加されているもので、レアアースの中でも特に資源確保が難しい希少元素だけに各社がその使用量低減に向けて知恵を絞っています。
同社はサプライヤーとの共同開発で新設計のモーターに「粒界拡散技術」を適用。これはネオジム磁石全体に均一に分布されるように添加していたジスプロシウムを磁石の結晶粒界(結晶の境目)に効率的に分布させることにより、使用量低減に成功したもの。
新モータの出力は80KW(109ps)、最大トルクは254Nm(25.9kgm)となっており、ギア比の最適化で胸のすく加速感と電費改善の両立を図ったとしています。0-100km/h加速タイムも3%短縮。
今後、HV車用にも今回の新モーターを採用していくと共に、その他の鋳鉄部品や排出ガス触媒に使用されているセリウム、ランタンなど、レアアースを含有する全部品に於いて、使用量ゼロを目指す方針と言います。
今後日本の自動車各社はこうした技術面での競争がいっそう激化すると予測され、資源保護の面でも「一段階上の技術力で勝負」する時代に突入しつつあるようです。
■新型日産リーフ公式HP
http://ev2.nissan.co.jp/LEAF/
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