以前に「トヨタ9月生産前年割れで「世界生産1000万台」に暗雲 !?」や「尖閣問題で日本車販売に赤信号 ! どうなる今後の中国市場 ?」でもお伝えしているとおり、中国との政情悪化に伴う販売急減で現在も生産調整が続くなど先行きが不透明な中、2012年度の世界生産目標の下方修正(1005万台 ⇒ 989万台)を発表したトヨタ自動車。
その一方でトヨタは急速な発展を見せるタイやインドネシアなどのASEAN地域に於ける生産能力増強を急いでいるようです。
トヨタ自動車は11月8日、バンコク市内でタイ進出50周年記念式典を開き、キッティラット副首相をはじめ、政府関係者、サプライヤーなど、約1800名が出席する中、豊田章男社長が「近い将来、タイの生産能力を年100万台の水準に引き上げる」と発表。
現在タイのTMT(Toyota Motor Thailand)が持つ3工場の生産能力は67万台で、まずその中のゲートウェイ工場の生産能力を拡大、2013年央に76万台規模に増強予定とか。
●TMT(Toyota Motor Thailand ) 従業員数 17,000人
サムロン工場 ゲートウェイ工場 バンポー工場
生産開始 1964年 1996年 2007年
生産能力 23万台/年 22万台/年 22万台/年
生産車種 ハイラックス カムリ、カムリHV、プリウス ハイラックス
VIOS、カローラ、ヤリス フォーチュナー
●STM(Siam Toyota Manufacturing )
従業員数:3,182人 生産開始:1989年 主要生産品目:エンジン、プロペラシャフト
同社は「トヨタグローバルビジョン」で新興国を重点取組み分野の一つとして位置付けており、現在タイの新車市場で30%以上のトップシェアを握っています。
今回の式典で、「タイに於いて事業50周年を迎えるのを機に、更に地域に根付いた活動を実施し、タイ自動車産業及び地域経済の発展に貢献していく考え」と表明。
さらにタイ政府が税制優遇対象として定めている「エコカー」基準(排気量1.3L以下、燃費20㎞/L以上)にミートする1.2Lクラスの新型車を2013年中盤に投入すると発表。
タイを始め、グローバルに販売、2013年3月のバンコクモーターショーでワールドプレミアする予定と言います。
尖閣諸島問題による日中関係の悪化で中国販売が冷え込む中、タイなどASEAN地域の存在感がこれまで以上に増しており、経済に陰りが見え始めた中国市場からのシフトが加速しそうな雰囲気になって来ました。
■TOYOTA Motor Thailand
http://www.toyota.co.th/switch.html
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