トヨタ自動車が10月26日に発表した9月の生産実績によると、世界総生産台数は68.6万台(前年同月比 -6.6%)でした。 その内訳は以下のとおりとなっています。
・海外生産:41.5万台(前年同月比 -2.5%)
・国内生産:27.1万台(前年同月比 -12.2%)
また、輸出は15.4万台(前年同月比-14.4%)、国内販売は12.9万台(前年同月比-5.8%)と全てに於いて前年同期実績を割り込んだ形に。
実はグラフで見れば一目瞭然なのですが、昨年の震災直後に極度の生産難に陥り、挽回の為に年度後半で必死に追い上げた時期との比較になった事も要因の一つ。
1月~9月の累計生産台数で比較すれば勿論677万台(+37.1%)と大幅増になっています。
・海外生産累計:402.6万台(前年同月比 +31.7%)
・国内生産累計:274.4万台(前年同月比 +45.8%)
とは言え、「尖閣問題で日本車販売に赤信号 ! どうなる今後の中国市場 ?」でお伝えしたとおり、9月以降、尖閣諸島の領有権をめぐる政変勃発をきっかけに中国側の反日感情が一気に高まったことで日本車の販売が激減しており、現在も出口が見えない状況。
中国人が日本車に乗ること自体が危険な状態が続いており、トヨタ車の販売台数も9月度は4.4万台に半減。在庫調整で10月も生産を半減中で、少なくとも年内は減産を続けることになると言います。
一方、中国でその後も販売を伸ばす昨年世界販売第2位のVWはお膝元の欧州債務危機の影響で2012年度の年間販売目標台数を970万台から940万台に下方修正した模様。
但し同社は「意欲的な目標」としており、9月度の累計671万台から推測すると確かに修正後でも「厳しい目標」に違いありません。
トヨタは9月まで世界生産1000万台(ダイハツ、日野含む)超えに向けて順調に進捗したものの、両国の経済に大きな損失を招く結果となった政権パフォーマンスの影響により10月以降も年内20万台以上の減産を強いられるようで、目標達成がかなり危うい状態となっています。
グラフから見てとれるように、20万台の減産で1000万台未達とは何とも惜しい話。トヨタは残された2ヶ月に何か秘策を持ち合わせているのでしょうか?
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