中国でトヨタやホンダなどの新車販売台数が大幅に減少しています。現在も日系ブランド製品の不買運動が続いており、生産・販売大幅減の長期化を懸念する声も。
今年4月16日、東京都が以前から中国漁船による領海侵犯が続いていた尖閣諸島の3島購入を表明。これを受けて9月11日に日本政府が地権者から3島を直接買上げて国有化。
それを引き金に中国側の反日感情が過熱、9月15日には中国の50以上の都市で大規模な反日デモが発生し、販売店などが大きな被害を受け、日本車の販売がピタリと止まりました。
その後中国は国慶節で9月30日~10月7日まで現地販売店は休業。連休明けの8日以降も日本車は全く売れない状況が続いていると言います。
その影響は甚大で、トヨタはそれまで月販7~8万台ペースだったのが9月は4.4万台に半減。ホンダもそれまでの月販5~6万台ペースが9月には3.4万台に激減。
日本の各自動車メーカーは、在庫の増大を避ける為、工場の操業停止の前倒しや作業時間の短縮などによる減産を相次ぎ決定しています。
- HONDA 理念 S1
一方で、Audiは20%増、BMWが55%増、メルセデスベンツが10%増、HYUNDAIも15%増加するなど日本車の販売減を穴埋めするという皮肉な結果に。
振り返ればトヨタは2008年以降、リーマンショックや米国での大リコール、東日本大震災、タイ大洪水などに次々に見舞われ、生産がままならず、2011年度は世界販売で第3位に転落。
世界第1位の座への返り咲きをかけて2013年以降に中国専用車を相次ぎ投入、新工場建設を含めて生産能力を大幅に拡大しようとしていた矢先に尖閣問題に巻き込まれる羽目に。
- 北京モーターショー トヨタ セダンコンセプト
同社は9月6日、四川省成都市で開かれた自動車の国際会議で「中国での新車販売台数を2012年に100万台/年、2015年を目処に180万台/年まで引き上げる」との計画を発表したばかりでした。
今回の尖閣問題で販売の先行きがいきなり不透明となり、計画の下方修正を迫られそうな情勢に。今後も尖閣問題で政治的によほどの進展がなければ、年内に渡って厳しい状態が続くとの予測が大勢を占めています。
「トヨタ世界販売目標1000万台超 !首位返り咲きなるか?」でもお伝えしたように、トヨタが販売で世界一に返り咲く過程にはまだ非常に厳しい試練が待ち受けている状況と言えそうです。
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