VW up!の「ASG」はMT派も楽しめる5速ATだった! 【動画】

台風の目となるか? VWの世界戦略車「up!」10月1日発売 ! 』でお伝えしたとおり、ルポの後継モデルとなるVW 「up!」が日本に導入されました。  

日本車では当たり前の便利装備や加飾を省く代わりに全車に「ESP」(横滑り防止装置)やフロント&サイドエアバッグ(4個)、前方の車両をレーザーで検知し、いざという時に自動でブレーキをかける「シティエマージェンシーブレーキ」(低速域追突回避・軽減ブレーキ)、高速走行時の急ブレーキを後続車に知らせる「エマージェンシー・ストップシグナル」などの安全装備を全グレードに標準装備。

燃費はエンジンのダウンサイジング(1.0L)によりJC08モードで23.1km/Lを達成しており、75%エコカー減税対象にミート。お値段は最廉価3ドアモデル(受注生産)が149万円、5ドアの「ムーブ アップ!」が168万円、同「ハイ アップ!」が183万円という魅力的な設定。

そんな潔い仕様のup!ですが、一つ気になる点が・・・
それはコストダウンと軽量化目的で採用された従来の「DSG」に代わる5速仕様の「ASG」。

VW ASG

実際にはMTながらもクラッチ・ペダルが無く、クラッチ操作を機械が代わりにやってくれる装置で、「セミオートマ」や「ロボタイズドAT」、「2ペダルMT」などの名前でも呼ばれています。

VWが開催したuP!の海外記者試乗会辺りから変速時のレスポンスやギクシャク感について色々と囁かれて来ました。果たしてVWの「ASG」はuP!に興味を示すであろう女性ドライバーにも優しいレベルに仕上がっているのでしょうか?

そんな疑問を検証すべく、実際にuP!に試乗して来ました。試乗車は5ドアの「ハイ アップ!」。
まずは動画を御覧ください。 

最初、やはり見慣れないシフトパターンに少々戸惑いましたが、普段MT車に乗っていることもあり、しばらく走ると慣れて来て、ATモードからMTモードへ切り替える余裕も。

「ATモード」で発進する場合、通常のAT車のようにアクセルを素早く踏み込むと、やはり噂どおりギクシャクします。

MT車の場合はシフトアップ時にアクセルを戻すと同時にクラッチを切る訳ですが、「ASG」とて同じ。シフトアップのタイミングをエンジン音で聞き分けて一旦アクセルを抜いてやればスムーズに変速できるようです。(少しコツが要りますが)

一方、「MTモード」にしてセレクターレバーで適切なギアをチョイスしつつ、MT車同様にアクセルをシフトのタイミングに合わせてON/OFFさせれば、MT車の如く楽しく走れます。

それすら面倒くさいという向きには普通のAT車よりも意識してアクセルをゆっくり踏み込むようにすればスムーズにシフトアップが完了します。

それと、通常のAT車のようなクリープ特性が無いので、「ヒルホルダー」が効かない5°以下の坂道ではサイドブレーキの併用が必要となります。

このように、「ASG」は実際にはATでは無く、あくまで中身はMTだという事を念頭に置いて操作すればスムーズな運転に繋げることができそうです。

■VW uP! 公式HP
 http://www.volkswagen.co.jp/cars/up/main.html

■取材協力  VW 岡崎
  http://www.vw-okazaki.com/

 (Avanti Yasunori) 

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この記事の著者

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Avanti Yasunori

大手自動車会社で人生長きに渡って自動車開発に携わった後、2011年5月から「clicccar」で新車に関する話題や速報を中心に執筆をスタート、現在に至る。幼少の頃から根っからの車好きで、免許取得後10台以上の車を乗り継ぐが、中でもソレックスキャブ搭載のヤマハ製2T‐Gエンジンを積むTA22型「セリカ 1600GTV」は、色々と手を入れていたこともあり、思い出深い一台となっている。
趣味は楽器演奏で、エレキギターやアンプ、エフェクター等の収集癖を持つ。
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