2020年までに全車種HV化 ! まだまだ続くトヨタのHV戦略

2009年5月に登場した3代目プリウスが毎年のようにコンスタントに20万台以上を売り上げ、今年8月末までに既に国内だけで※累計100万台を販売。国内でトップセールスを誇る人気ぶりが続いています。

※2009年:19.1万台、2010年:31.6万台、2011年:25.2万台、2012年:23.9万台(1-8月)

昨年12月に登場したアクアも今年8月末までに既に累計17万台以上を販売するなど、レギュラーガソリンの価格が140円/Lを切らない昨今、20㎞/L以上の実走行燃費がウリのHV車の人気は衰えを見せない状況。

 

そのトヨタが新聞報道などによると、2012年度はHV車を世界で前年比倍の120万台生産する計画と言います。これはBMWなど欧州メーカーの年間全生産台数にほぼ匹敵。HV車を増産することにより、HV駆動用バッテリーのコストも低減できるメリットが生まれるという訳です。

 

トヨタの国内生産に占めるHV比率は2011年の約2割から今年度中に3割を超える勢いのようで、来年の秋にはバッテリーの増産体制が整い、カローラにもHVモデルが追加される模様。

 

他にもLexus全シリーズにHVモデルを設定、クラウン・マジェスタをHVモデルに特化、タイに続きインドネシアでもHV車を生産・販売するなどの計画があるようで、2020年頃までには全車種にHVモデルを設定するとの情報も。

こうした開発の動きは21日のホンダの発表を見てもほぼ同様で、両社によるHV車の量販体制構築が世界規模で着々と進んでいるようです。

欧州車も続々と参入を進めており、EV車の一充電あたりの航続距離がガソリン車並の実用性を得るまでの間、HV車の優位性はまだまだ揺るぎそうに無い状況と言えます。

 (Avanti Yasunori) 

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Avanti Yasunori

大手自動車会社で人生長きに渡って自動車開発に携わった後、2011年5月から「clicccar」で新車に関する話題や速報を中心に執筆をスタート、現在に至る。幼少の頃から根っからの車好きで、免許取得後10台以上の車を乗り継ぐが、中でもソレックスキャブ搭載のヤマハ製2T‐Gエンジンを積むTA22型「セリカ 1600GTV」は、色々と手を入れていたこともあり、思い出深い一台となっている。
趣味は楽器演奏で、エレキギターやアンプ、エフェクター等の収集癖を持つ。
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