複合燃費リッター61km! 三菱が新型アウトランダーのプラグインハイブリッド技術を公開

三菱自動車工業は2012年9月27日から開催されるパリモーターショーで新型アウトランダーPHEVを世界初公開することを発表、その技術要素を先行公開しました。

i-MiEVにより市販EVに先鞭をつけた三菱自動車、開発部門を統括する中尾龍吾取締役によれば『MiEVで実践してきた「電気で走る」という技術と、パジェロなどで培ってきた「SUVのイメージ」を融合させる』という意味でアウトランダーをベースにプラグインハイブリッド車を生み出すことで、電動システムの選択肢を拡げたいということです。

さて、2013年初めに市販を予定されているアウトランダーPHEVですが、その電動システムは前後それぞれに60kWのモーターを配した四輪駆動が基本です。

そこに2.0リッター4気筒エンジンとジェネレーター(発電機)をプラスすることで、バッテリーの電気が少なくなったときや、バッテリーだけでは電流(アンペア)が足りないときに、エンジンを動かして発電するというハイブリッドシステムと組み合わせています。当然、プラグインですから基本はバッテリーを充電して運用するというもの。バッテリーだけでの航続距離は55km以上(JC08モード)を目指しているといいます。

 

バッテリーは、i-MiEVで培ってきたリチウムイオンバッテリー。サプライヤーも、i-MiEV同様のリチウムエナジージャパン社ですが、バッテリーの細かい仕様はプラグインハイブリッドに合わせて変更しているということです。

 

バッテリー総電力量は12kWhで、充電方式は普通充電(J1772)と急速充電(CHAdeMO)に対応。充電時間の目安は、AC200V・15Aの普通充電で4.5時間、急速充電で30分と発表されています。

基本的に、エンジンは発電にしか使わないシリーズハイブリッドというアウトランダーPHEVですが、高速走行時に限ってエンジン出力を駆動に回して、エンジンとモーターで走るパラレル・ハイブリッドとなるということ。

さらに120km/hを超える速度域では効率的にエンジンだけで動かしたほうが有利ということで、モーターは止めてしまうといいます。日本の法定速度を超える領域の話ですが、120km/h以上の高速域はエンジンのみで走行するFWD(前輪駆動)になるわけです。

プラグインハイブリッドのシステム全体での重量は約270kgとかなり重くなってしまいますが、ベースモデルの軽量化などもあって車両重量は1810kgを実現する模様。気になる燃費性能ですが、外部充電を考慮した複合燃費は61km/L以上(JC08モード)が目標ということ。なお、外部充電のない状態での燃費参考値は18km/L程度、ということです。
(山本晋也)

 

この記事の著者

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山本晋也

日産スカイラインGT-Rやホンダ・ドリームCB750FOURと同じ年に誕生。20世紀に自動車メディア界に飛び込み、2010年代後半からは自動車コラムニストとして活動しています。モビリティの未来に興味津々ですが、昔から「歴史は繰り返す」というように過去と未来をつなぐ視点から自動車業界を俯瞰的に見ることを意識しています。
個人ブログ『クルマのミライ NEWS』でも情報発信中。2019年に大型二輪免許を取得、リターンライダーとして二輪の魅力を再発見している日々です。
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