世界でイチバン!? 走る距離で燃費が変わるクルマとは?【プリウスPHVで1000キロ走行・その11】

プリウスPHVには、一台で「HV燃費」と「PHV燃費」という2つのJC08モード燃費があるのをご存じでしょうか?

自分が借りたプリウスPHVは、「HV燃費:31.6km/l」と「PHV燃費:61.0km/l」のグレードでした。正直、モニター試乗に当選する前は「なんのこっちゃ?」という感じでしたが、実際に自分で1060キロを運転して、ようやくそれぞれの意味合いを理解した次第です。

まず、モニター10日間の燃費実績についてです。総走行距離は「1060キロ」で、トータル燃費は「28.2km/l」でした。満タン45リットルで7.4リットルも余っているのですから、本当に素晴らしいと実感しました。

また日毎の燃費は、スマホの写真にある通りです(初日の走行数値105キロのうち、車両を受け取ってから自分が走ったのは27キロです)。最少の「24.1km/l」から最大の「999.9km/l」まで、大きく分かれる結果となりました。

次に「HV燃費」についてです。最少燃費を記録したのは、7/16福島旅行からの帰路で、高速道路での走行が中心の日でした。269キロ走行のほとんどが高速走行ですから、HV走行に終始していた訳です。また2泊3日福島旅行の総走行距離967キロのうちEV走行は30キロ程度に過ぎませんから、福島旅行で記録した25Km/l前後の燃費が「HV走行における実用燃費」といえると思います。

一方「EV走行」に終始すれば、ガソリンを一滴たりとも使いません。この際には最大燃費の「999.9km/l」と表示されますが、実際に1リットルのガソリンで999.9キロを走れるわけではありません。EV走行の場合は燃費値とは別基準で「満充電時のEV走行距離26.4km」がありますから、こちらの方がわかりやすいと思います。

ちなみにEV走行中にアクセル全開にした結果、ちょっとだけエンジンがかかってしまいました。その結果「657.9km/L」と表示された訳ですが、運転状態を思い起こすと、この数値もちょっと実感がわかないですね〜。

さてさて「PHV燃費」はどうなったかというと、実を言いますとモニター期間中「PHV燃費61.0km/L」に近い燃費は、ついぞ記録することなく終わってしまいました。

なぜかというと、PHV燃費は限定された条件下での数値だからです。 このあたりの事情がいかにも日本らしいのですが、「EVとHVの割合を概ね半々にした一定条件」を設定して、半ば強引に「PHV燃費」を弾き出したのですね。

つまり、EV走行時の燃費(外部充電電力を満充電から使い切るまで)の燃費(プラグイン燃料消費率)とハイブリッド走行時の燃費(ハイブリッド燃費消費率)に国土交通省が定めた係数(ユーティリティファクター)をかけ、複合した代表燃費値がプラグインハイブリッドの燃料消費率だったのです。

実際の運転シーンに置き換えると「満充電でEV走行で走り出し、30〜50キロ程度走行した時に記録する燃費」でした。 つまるところ、HV燃費が「実質的な燃費」とすれば、PHV燃費は「限定条件の燃費」と言わざるを得ません。実質的と限定的とでは意味合いが全く異なりますから、わかりにくい訳ですよね。

もっとも自分の実績のように、「走る距離によって、燃費は24.1km/lから999.9km/lまで可変する」と書いたら尚更わかりにくく悩ましいところです。プリウスPHVの 燃費に関する一番率直な感想は、【使う人と走る距離によって、世界で最も燃費が異なる市販車!】ではないかということでした。

(゜゜;)\(–;)これならギネスに登録できるかも?

■トヨタプリウスPHV公式サイト/体験者の声(トヨタ自動車)
http://toyota.jp/priusphv/001_p_001/life/genejournalist/index.html

(拓波幸としひろ)