インプVSインプVSインプ!伏兵・熱戦・大乱戦。そしてエボ復活!!【全日本ラリー選手権 がんばろう福島ラリー(2)】

全日本ラリー選手権 第3戦 がんばろう福島ラリー」Day2です。 Day1はこちら

Day2 空は曇り。しかしSSの有る山間部はいつ崩れるか、ギリギリの感じである。
SS10:HigashinobokuyaR(リバース)1 朝6:55 No.1勝田範彦/足立さやか 組インプレッサ(ラック名スバルSTI DLインプレッサ)のスタートにより、熱戦が再開されます。この日は勝田/足立組とNo.3柳澤宏至/中原祥雅 組インプレッサ(CUSCO ADVAN GRB)の総合優勝の一騎打ち、そして3位のNo.2奴田原文雄/佐藤忠宜 組ランサー(ADVAN-PIAAランサー)の表彰台挑戦権を掛けた、4位No.5福永修/奥村久継 組インプレッサ(ハセプロCL☆DLインプレッサSTI)5位No.4高山 仁/河野 洋志 組ランサー(DL☆0F☆レイルCL☆ハセプロランサー)、6位No.9杉村哲郎/立久井和子組のインプレッサ(ITZZ☆DL☆KYB☆WAKO’s☆LFインプ)がNo.2から10秒以内にひしめいている。 この6台による壮絶なタイムの叩き出し合戦を想像していたが、そこに敢然と立ちはだかった1台がいた。

驚速のタイムを叩き出すNo.6 NENCインプレッサ

No.6鎌田卓麻/竹下紀子 組インプレッサ(TEAM NENCインプレッサ)だ。No.1にもエキゾーストシステムを提供しているNENCが開幕戦唐津に続いて自チームを送り込んだ。が、不幸にして今回もDAY1 SS2でドライブシャフトが折れ、DAYリタイアと喫していた。 全日本優勝経験も有る鎌田選手は今年初参戦と初リタイアを同時に経験したが、DAY1中にドライブシャフトの交換は終了している。チーム代表の中川氏は翌日のスーパーラリーでの復活を約束していたが、3km足らずの最初のSSでいきなり、後続を1.8秒引き離すトップタイムを叩き出す。最早、総合成績でのポイントは獲得できない鎌田/竹下組はこの日のDAYポイントを…と云うより、速さを見せつける作戦に出た様だ。とはいえ、勝田/足立 組と柳澤/中原 組のギリギリ神経戦は続いており、SS10は同タイム、3.1秒差のまま。奴田原/佐藤 組は0.5秒遅れの4位。これ以上の上位進出はほぼ不可能。わずかにマージンを取りつつ、後続に2秒、着実に突き放す。

トラブルを克服すれば、奴田原佐藤組に死角は無い

SS11:MuroOodairtagusa 1 1位勝田/足立 組、2位鎌田/竹下組(0.6秒差)、3位柳澤/中原 組(0.8秒差)3.9秒に差が広がる。4位奴田原/佐藤 組(1.9秒差)後続を更に3.6秒離していく。
SS12:Mikabubokuya 1 1位鎌田/竹下組、2位柳澤/中原 組(0.7秒差)、3位勝田/足立 組(1.8秒差)2.8秒に差が縮まる。4位奴田原/佐藤 組(2.2秒差)0.2秒だが後続を更に引き離していく。
SS13:HigashinobokuyaR 2 ここで柳澤/中原 組トップタイム!2位鎌田/竹下組(0.5秒差)3位奴田原/佐藤 組(0.7秒差)4位勝田/足立 組(0.8秒差)更に2秒迄迫られる!

柳澤/中原組インプレッサ 闘志がみなぎる

SS14:MuroOodairtagusa 2 1位鎌田/竹下組、2位柳澤/中原 組(2秒差)、3位勝田/足立 組(2.2秒差)1.8秒に差が縮まる。4位奴田原/佐藤 組(4秒差)後続に4.1秒の大差を付けた。この時点で、後続との差は59.8秒。残るSSは2つ/5.5kmで安全圏に入ったか。
SS15:Mikabubokuya 2 1位鎌田/竹下組、2位柳澤/中原 組(0.2秒差)、3位勝田/足立 組(0.7秒差)4位奴田原/佐藤 組(0.9秒差)勝田/足立 組VS柳澤/中原 組のギリギリ神経戦は遂に1.1秒。「1ミス即逆転、優勝決定」と云う痺れる展開が出来上がる。

前日の貯金を少しずつ崩しながらも、首位を死守する勝田/足立組

そして、最終SS。
SS16:HigashinobokuyaR 3  ステージウインはここもNo.6鎌田/竹下組のインプレッサが飾った。 本日の7SS中、6SSでトップタイムを叩き出した速さはホンモノ。あと2,3戦に出場予定との事だけに要注意だ。 2位は奴田原/佐藤 組ランサーエボリューションX(0.2秒差)。今日は前日の4位以下に一度もタイムで後れを取る事無く、がっちり表彰台を確保した。 同タイムでの2位に柳澤/中原 組のインプレッサ。4位はDAY1終盤に速さを見せた高山/河野 組ランサー。そして5位はこのラリーで初めてSSトップ3から外れた勝田/足立 組インプレッサ。トップタイムとの差は0.7秒。No.3との差は+0.3…0.8秒差で優勝だ!

クラス4,2とダブルウインを飾ったチームラック

フィニッシュ後、CUSCOの長瀬社長の「嬉しい!、けど悔しい!!」には実感がこもっていた。一方「危なかった~」を連発する勝田選手の言葉にも同じ成分が含まれていた。ここでの優勝で、シリーズポイントにを余裕を持って戦えるようになる…が理想であったのだろう。しかし、勝ってライバル達にポイント差を付けたが、新たな強力なライバルが2台も名乗りを上げたのは予想外であろう。シーズンも序盤を終了し、暫くLUCK勝田/足立組を中心に回ることは間違いない。が、優勝を狙えるライバルが増え、一層乱戦となって行きそうな気配である。

(川崎BASE)

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