開通した新東名はオービスもNシステムも存在しない理由とは?

全戦3車線で設計速度140km/hで計画された新東名(御殿場JCT – 浜松いなさJCT間151.8km)ですが、実際には一部2車線、設計速度120km/hとして建設され、最高速度100km/hで開通。
いろいろな紆余曲折を経ての完成&開通で、渋滞情報や所用時間表示など、NEXCOによる道路管理&利用者用情報提供システムはもちろん設置・稼働しているものの、警察管轄の速度取り締まり用オービス&犯罪捜査用のNシステムは設置されないまま開通しました。

ちなみに、2007年に開通した首都高・中央環状新宿線では、開通時点で山手(やまて)トンネル内にオービス(LHシステム)が設置されていました。これは首都高速道路株式会社と警視庁の事前協調によるものです。

今回の新東名に関しては、新高速として高規格な青写真を描いた日本道路公団(NEXCOの前身。国土交通省系・2007年より3社に分割され民営化)と現実重視で速度規制緩和に否定的な警察庁、さらに政治的な思惑・横槍が入ったりして、「NEXCO中日本と静岡県警が協調して…」などという話が進まなかったというのも容易に理解できますね。

その結果、まずNEXCOが道路を作り、次に警察が取り締まり&監視装置を設置するという、それぞれの担当・権限に基づき独立した流れで進行しているというわけなのです。

NEXCOの案内板はいずれもこのような太いバーにセットされていますが、オービスやNシステムは独立したバーに設置されます。

2012年3月時点では、新東名と並行する東名高速の御殿場〜三ケ日間には下り4カ所、上り3カ所のオービスがあります。また、Nシステムは上下線各4カ所に設置されています(最新オービスFULL MAP 2012 三栄書房刊参照。なお、同誌に掲載されている下り159.1KP(静岡IC手前)の古いレーダー式オービスは既に撤去)。

これは東名高速下り線、厚木ICの先46.5キロポスト付近のオービス(LHシステム)。ここは3車線に全てをカバーするために3機設置されています。

今後設置されるオービスはこのLHシステムがメインとなります。

高速道路に設置されたLHシステムは、一般的にラダーで組まれたオーバーブリッジに取り付けられています。写真は関越道下り高崎IC先88.6キロポストのものですが、路面に埋められた速度計測用ループコイルや撮影ポイントの白いマーキングなどがよくわかります。

東名高速184.2キロポスト付近、両方向には犯罪捜査用の最新Nシステムが設置されています(写真は上り線、吉田IC先)。ストロボとカメラが一体になったコンパクトタイプ。新東名に設置されるのもまずこのタイプだと思われます。
なお、Nシステム直前の「速度自動取締路線」の警告板はこのNシステムの先、182.6キロポスト付近に設置されているループ式オービスのものですのでお間違いないように。

オービス(LHシステム)と紛らわしいのがカメラとストロボが別体のNシステム。東名高速85.5キロポスト両方向(写真は下り)に設置された Nシステムは、通過車両を漏れなく捕捉するために、路側帯までカバーするように、3車線路には4機セットされています。

なお2008年に開通した新名神高速(亀山JCT-草津田上IC間49.7km)には、Nシステムは設置されていますが、オ-ビスの設置情報はまだありません。

はたして、新東名のオービスの設置はいつ・どこに? 新規オービスを発見したら、ドライバー間の自己防衛のためにも、ネットで情報拡散を!

三栄書房内OPTIONオービスSSR委員会までご連絡を頂いてもうれしいです!
☎03-5369-5270 E-mail:orbis@san-eishobo.co.jo

最新オービスFULL MAP 2012もよろしくお願いします。

■オービスガイドマップ 最新オービス フルマップ 2012(三栄書房)
http://www.sun-a.com/magazine/detail.php?pid=5791

(文・OGⅢ)