袖ヶ浦フォレストレースウェイのフルコースをサーキット用にチューニングアップされたインプレッサで走行した。本格的なバケットシートに座り、フルハーネスのシートベルトで身体を締め付けてコースインする。
まずは旧モデルのディレッツアZ1★をコントロールタイヤとして最初に乗った。
グリップは強いとしか言いようがない。ロールもしないでグイグイ曲がっていくし、アクセルペダルを踏み込めば強烈な加速が待っている。もちろんブレーキングも高い減速Gを体感できる。
走行できるのは5周で、最初はピットから出るラップ、最後はピットに入るラップなのでタイムアタックできるのは中の3周のみだ。
タイム計測中もいろいろ試してみる。グリップ限界を越えても一気に滑ってしまうことなく、コントロールできる滑りで安心した。ややアンダーステア傾向なので、うまく曲げてターンインすることができれば、コーナーの途中からアクセルペダルを踏んでいくと弱いオーバーステアで立ち上がることができる。クルマの挙動はオーバーステアなのだが、ラインとしてはアウトに膨らんでいくからそれを予想したライン取りをしなくてはならない。そんなことを考えながら走るのは、なかなかおもしろい。
結果ラップタイムは
2周目、1分18秒637
3周目、1分18秒225
4周目、1分18秒737
平均ラップタイム1分18秒533ということで、3ラップとも18秒台で並んだ。
つぎに新しいディレッツアZⅡに履き替えて同じように5ラップ走行した。
ピットアウトした最初のラップでZ1★より良く曲がる感じがした。ターンインが楽なのだ。曲げるときのハンドル角も小さくて済む。そしてコーナーのクリッピングポイント手前からアクセルペダルを踏んでいくとZ1★よりオーバーステアが強めに出るが、前に進む力も強くあまり外に膨らまない。だから余計にアクセルペダルを踏んでいけた。
その結果のラップタイムは
2周目、1分17秒533
3周目、1分17秒519
4周目、1分17秒331
平均ラップタイム1分17秒461ということで、開発陣が言う通りのラップタイム1秒アップを実現できた。
ZⅡはそれほど強烈にグリップが増したという感じはしない。だからラップライムを確認するまでタイムアップしたかどうかは判らなかった。しかし曲がりやすいこと、パワーオンのときに前に進む力が強いことが功を奏して結果的にラップタイムアップしたのだ。
サーキットで無理なくラップライム向上ができるタイヤだ。
(菰田 潔)