7月1日は「うるう秒挿入」のため24時間より1秒長い。

今年の7月1日は24時間より1秒長い「うるう秒」が挿入されます。

具体的にいうと7月1日の午後8時59分59秒の次は午後9時00分00秒ではなく、午後8時59分60秒となります。

写真のような電波時計やスマートフォン、ネットに接続されているPCであれば何食わぬ顔で過ごしていればよいのですが、電波やインターネットによる時刻調整機能を持たない時計や時計を搭載した機器は注意が必要です。例えば、ビデオ録画などで録画時間に誤差が出るなどの弊害が出るかもしれません。自動時刻調整の付いていない機器では必ず時間調整を行うようにしましょう。

うるう秒はうるう年と考え方が違います。うるう年は太陽の周りを地球が回る「公転」が365日+約6時間なので4年に一度、1日を足しましょうというもの。うるう秒は1958年に制定された原子時計による世界標準時と、地球の「自転」を基にした「天文時間」との誤差、年間約0.9秒を埋めるものとなります。

現在の「1m」や「1秒」の単位は光の速度を元に制定されています。1秒は光が299,792,458m(約30万km)の距離を真空中で伝わる時間、1mは光が1秒の299792458分の1の時間に真空中を伝わる距離とされています。正確に定義すると、えらくややこしくなっています。

この、えらくややこしい時間の単位のおかげで「うるう秒」が出来てしまった、ともいえますね。また、地球の自転速度は一定ではなく、多少の進み遅れがあるので毎年うるう秒を入れるわけでもなく、運用がややこしい。

「うるう秒」については、このややこしさからアメリカなどが航空管制や金融システムに支障をきたすとして、国連に廃止を申請していますが、世界標準時刻を司るイギリスは100年で90秒の誤差が出る、と猛反発。2015年に国連で決定されるまで、これからも熱い議論が交わされることになるでしょう。

総務省「うるう秒」挿入のお知らせ
http://www.soumu.go.jp/main_content/000144097.pdf

(北森涼介)

この記事の著者

松永 和浩 近影

松永 和浩

1966年丙午生まれ。東京都出身。大学では教育学部なのに電機関連会社で電気工事の現場監督や電気自動車用充電インフラの開発などを担当する会社員から紆余曲折を経て、自動車メディアでライターやフォトグラファーとして活動することになって現在に至ります。
3年に2台のペースで中古車を買い替える中古車マニア。中古車をいかに安く手に入れ、手間をかけずに長く乗るかということばかり考えています。
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