速度自動取り締まり機オービスの高齢化による2つの問題とは?

姉さん、事件です。中央道河口湖線にあったオービスが撤去されてしまいました。しかも、上下線ともに。

何が言いたいかというと、あの辺は80km/h制限だからオービスがあるとけっこう邪魔……じゃなくて、速度違反車が増えないように頑張ってくれていたオービスが引退してしまったのはさみしい限りですよね。今まで見張ってくれていてありがとう!

今は亡き河口湖下り線のオービス。歩道橋が目印でした。

 

亡くなった河口湖線上りオービスの写真は古すぎて変色してます。

そんなオービス撤去が、なんと、全国規模で起きているという情報をキャッチしました。

理由は、若者のクルマ離れ。

……なんてはずはなく、時代の流れに乗り切れなかったことによる切実な事情です。

その1:撮影するためのフィルムが手に入らない。オービス用のフィルムは特殊なタイプですでに製造を終了したようです。つまり、アナログカメラを使っているオービスは戦力外通告を受けた状態なのです。ちなみにフリーエージェント制はありません。

その2:オービスの保守点検用部品切れ。オービスを作る東京航空計器という会社では21世紀を迎える前にアナログ式オービスの製造を終了し、もはや修理用の部品もない状態。壊れても直せないんです。ニコイチにすればいい…という素人考えは警察には通用しなさそうです。

というわけで古いタイプのオービスは、今では設置してあってもジオングの脚(=飾り)みたいなもの。予算がない場合は、デジタル式に置き換えることもできず、オービスとしての役割は休止中なのです。これじゃあ悪質なスピード違反を抑止できません。たいへん困った問題ですね。

ただ、古いオービスがいきなり新しいデジタル式に生まれ変わることもあるので、油断は禁物ですよ。

 

オービスが役割を果たさないなんて、本当に切実な問題。
でも、予算がないならムリに新品にしなくても機能しないダミーのままでいいんじゃないでしょうか。オービスの有り無しにかかわらず、善良なボクらはスピード違反なんてしませんから。

(工藤貴宏)

 

 

この記事の著者

工藤貴宏 近影

工藤貴宏

1976年長野県生まれ。自動車雑誌編集部や編集プロダクションを経てフリーの自動車ライターとして独立。新車紹介、使い勝手やバイヤーズガイドを中心に雑誌やWEBに執筆している。現在の愛車はルノー・ルーテシアR.S.トロフィーとディーゼルエンジンのマツダCX-5。
AJAJ(日本自動車ジャーナリスト協会)会員。
続きを見る
閉じる