電気とガソリン、ホントに効率がいいのは?

日産リーフ
日産リーフ

日産リーフがワールドカーオブザイヤーを受賞しました。時代はEVに向いているということが世界レベルで証明されたわけですが、なんでEVがこんなにもてはやされるのでしょうか?
EVの利点は効率だ、とよく言われますが、具体的にどれくらい効率がいいかということをはっきりと示した自動車メディアって、実はほとんど無いのです。

4月の初旬に原発事故関連の取材で佐賀大学の元学長の上原春男氏にお話を伺う機会がありました。上原氏は原子力発電や火力発電で、タービンを回す蒸気をいかに効率よく水に戻すかという設備である復水器を20代で設計し、1970年代後半から現在までに作られた日本国内全ての原子力、火力発電所で上原式復水器として採用される実績を持つエネルギー効率、エネルギー変換の権威。福島第一原発事故の処理にも外付け式冷却装置を提案するなどしています。東電いわく放射線量が危険なので取り付け作業が出来ないと言うことですが・・・。
原発の話はさておき、そのお話を伺った際、上原氏は「ガソリンエンジン1kw分の石油で、最高で9kwが発電できるから自動車で使う化石燃料は発電にまわさないといけない」とおっしゃっていました。

ガソリンエンジン1kw分の石油という表現は少しわかりにくいかもしれませんが、ガソリンの持つ熱量、それをエンジンで燃焼した燃焼効率、回転軸から出力を取り出した仕事率などを総合して、このような表現になっていると考えてください。

それにしても効率9倍?そんな馬鹿な、と言う方もいらっしゃると思いますが、これは本当です。最高でというのは特殊な気化技術を使って希薄燃焼で発電すると言うことなので、我々がそう簡単に実物を見ることが出来ませんが、自動車エンジンの5倍程度の効率であれば、もうすでに実用化段階に入り、来年か再来年あたりには実際に乗ることの出来るクルマとして買うこともできるのです。

たとえばAudiのA1 e-tronは20馬力(14.7kw)のバンケルエンジン(つまりロータリーエンジン)を発電機として使い、バッテリー充電とモーター駆動に使います。エンジンだけではタイヤを回しません。いわゆるレンジエクステンダーと言うものです。そのエンジンの定常運転で一番効率のいいところで発電すると100馬力(75kw)のモーターが回せる。出力換算で5倍の効率があることがわかりますね。
ガソリンをそのまま燃やしてク出力を取り出すよりも、 その力で発電機を回すともっと大きなエネルギーが取り出せるということです。

今回はわかりやすいように出力比較で効率の説明をしていますが、今後は燃費などの比較方法も紹介させていただきます。

 

(北森涼介)

この記事の著者

松永 和浩

松永 和浩 近影
1966年丙午生まれ。東京都出身。大学では教育学部なのに電機関連会社で電気工事の現場監督や電気自動車用充電インフラの開発などを担当する会社員から紆余曲折を経て、自動車メディアでライターやフォトグラファーとして活動することになって現在に至ります。3年に2台のペースで中古車を買い替える中古車マニア。中古車をいかに安く手に入れ、手間をかけずに長く乗るかということばかり考えています。