「和のテイストを」とは近年クルマのデザインで良く聞くキーワードですが、ここまで「和」なのも珍しい。漆塗りの「籠」をイメージしたというボディといぶし竹の床に和紙のドアを持つ、ここまでやるか? というほど和テイストの三輪EV、それが大阪府守口市にある淀川製作所が創った「Meguru(めぐる)」です。
これは発案者である大阪の(株)淀川製作所と、近畿刃物工業(株)、京都EV開発(株)と九創設計室が手がけたEVプロジェクトで、1.2Kwのモーターとリチウムイオン電池を搭載した前に1人後ろに2人の3人乗りの仕様。和紙でできたドア(なんと老舗扇子屋さんが協力)を持つことから、一見こんな形状で公道を走れるの? と思いますが、自動二輪車側車付き(バイクのサイドカー)と同じ区分となるので、ちゃんと公道を走れるそうです。
気になる価格は100〜150万円の間を想定しているそうですが、正直、高いか安いのかはわかりません。
ですが第一号は4月5日の納車が決定しており、そこから全国の観光協会や町おこしを行なっている自治体を訪問。日本を一周しながら、町工場のオヤジでもEVを創れることをアピールすることに加えて、Meguruが来ることで各地のイベントにより注目が集まるプランが計画されています。
近年、日本の町工場の技術力の高さはさんざん紹介されていますが、それを全国に直に見せちゃおうって感じなわけですね。
それにしても、日本ではEV先進国が日本だと報道されていますが、すでに中国などでは相当数のEVが発売されており、大メーカーの牙城を脅かそうとする新進メーカーが活躍しています。
そんな中、日本でも町工場が放つEVストーリー。
技術アピールや町おこし、そして地方を元気などなど多少欲張りな気がしますが、新しいEV時代を感じさせてくれるだけに、応援したいと感じてしまいます。
(佐藤みきお)
あっぱれEVプロジェクト