1月19~21日に東京・台場のビッグサイトではカーエレJAPAN/EV JAPANが開催されていました。そのなかで同時に新規開催されたクルマの軽量化技術展でこんなものを見つけました。
バイオマス(植物由来)のFRPによるボディです。ドアパネルやドアミラーなどに用いることで軽量化が可能とのことで、鋼板ドア構造材で16kgのところを9kgで仕上げています。
これはJSP(栃木県鹿沼市)という発泡プラスチックの企業のブースに展示されていたもので、もともとはFRPの軽量化をめざしたアイデアでした。薄いFRPパネルの間に発泡剤をラミネートするという技術を開発したものです。その可能性の模索として提案していたのが、このドアパネルなどへの応用だったのです。
鋼板と同等の強度を持ちながら、大幅な軽量化が可能というのが特徴です。また、このFRPだけでなく発泡素材もバイオマスとしていて、これらトータルでバイオマス度を最大で80%までに設定することも可能なのだそうです。現状ではやや平滑さには欠けますが、艶の感じは鋼板のボディとあまり変わりません。触った感触もしっかりとしたボディの張りが感じられます。
さらに発泡素材をラミネートした構造とすることで、吸音性、断熱性、衝撃吸収性にも優れているとのこと。もちろん現状の製造コストはかなり高く即製品化とはなりませんが、これからEVでは軽量化を進めながらも、室内の断熱性は重要なテーマとなってきますので期待大の素材開発といえるでしょう。
「ちょっと言い過ぎかとは思うのですが…」と担当者は苦笑いをしていましたが、ブースにはクルマの重量50%削減も…とのコピーも記されていました。こうした技術で重量が大幅に削減されれば、クルマの未来は大きく変わっていきますね。
(MATSUNAGA, Hironobu)