ドアが飛び、エンジンブローに見舞われた悲しきOPT・MR2。その中身をチェック!・その3【OPTION 1985年1月号より】

市販では初のミッドシップ・スポーツカー、MR2(AW11)。OPT系チューンドメーカー&ショップもこの様々な可能性を秘めるMR2に注目! OPTはボディセクションをマッドハウス・杉山氏と、エンジンセクションをシグマ・オートモーティブと組み、最高速にトライしていました。

着々と記録を伸ばしていた矢先、谷田部の高速周回路でドアが飛ぶハプニングを経験エンジンの初ブローというトラブルにも見舞われてしまったのです。今回は、そんな第2次仕様の中身を詳しく見てみましょう!

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【OPTスーパーMR2への挑戦】

<ボディ・セクション>
美しいファーストバックの完成で戦闘的なスタイルに変身!

主管担当:杉山 哲・マッドハウス

エンジンのパワーアップと共に、ボディ軽量化と空力のリファインが徹底的に行われた。軽量化はマッドハウスで特製したFRPドアとアクリルウインドウの採用。さらにアンダーコートをノミとトンカチで2日間をかけて削り落とした。見た目を無視してリヤバンパーも取り外してしまった。

これで両ドアで約40kg、バンパーで10kg、アンダーコートで5kgの軽量化が予想され、カーボンボンネットや超軽量シートの採用がプラスされ、全重量は800kg台になっていると考えていた。

が、谷田部の重量測定では、全員がア然とした。ここまで軽量化したにもかかわらず、前391kg、後563kg、トータルで954kgという数値!MR2のメーカー発表値は940kgであり、まるで信じられない結果となった。

空力面でのリファインは、マッドハウス特製のアクリル製ファーストバックの採用だ。これでルーフからのエアがファーストバックにより整流されてリヤウイングまで導かれ、より強力なダウンフォースが得られるようになった。

この記事の著者

永光やすの 近影

永光やすの

「ジェミニZZ/Rに乗る女」としてOPTION誌取材を受けたのをきっかけに、1987年より10年ほど編集部に在籍、Dai稲田の世話役となる。1992年式BNR32 GT-Rを購入後、「OPT女帝やすのGT-R日記」と題しステップアップ~ゴマメも含めレポート。
Rのローン終了後、フリーライターに転向。AMKREAD DRAGオフィシャルレポートや、頭文字D・湾岸MidNight・ナニワトモアレ等、講談社系車漫画のガイドブックを執筆。clicccarでは1981年から続くOPTION誌バックナンバーを紹介する「PlayBack the OPTION」、清水和夫・大井貴之・井出有治さんのアシスト等を担当。
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