【GTCジャパン2018】ヤマハが陸海空の自律モビリティを実現するために選んだAIとは?

人工知能、自動運転に欠かせない技術を有している企業として注目を集め続けているNVIDIA(エヌビディア)。

そのファウンダーであり、ビジョナリー CEO であるジェンスン フアン氏の基調講演が、2018年9月13~14日に開催された第 10 回 GTC(GPU テクノロジ カンファレンス) ジャパンにて行なわれました。

その中で、AIやロボティクス向けに作られた、世界初のコンピュータ「 Jetson AGX Xavier」 を、ヤマハ発動機が無人農業用車両、ラストワンマイルビークル、マリン製品等の次世代製品群の頭脳とすることを計画していることが明らかとなったのです。

NVIDIA の自律動作マシン担当ヴァイス プレジデント兼 統括マネージャーのディープゥ タッラ (Deepu Talla) は次のように述べました。

Jetson AGX Xavier は、自律動作マシン領域のゲームチェンジャーです。ヤマハ発動機は、Xavier を採用し、同社のマシンをインテリジェント化することにより、かつては開発が不可能であると思われていた製品をマーケットにもたらすことができるようになるのです

具体的には、農薬散布などを行なうドローン、無人旅客輸送マシン、そして深海探査ロボットにエヌビディアの新しい製品であるJetson AGX Xavierを利用するということです。まさに、陸海空の自律型マシンによってユーザーニーズを満たそうというわけです。

農業用の無人地上車両(収穫物や機材の運搬用)の実証実験は2019年内には開始されるといいます。高齢化が進む日本社会において、体力をカバーする自律型マシンの開発は急務といえますが、まずは農業分野からスタートといえそうです。

こうして獲得したノウハウを活かして、公共交通機関が不十分な地域におけるニーズが考えられる無人運転の「ラストワンマイルビークル」につながることに期待が高まります。

(山本晋也)

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山本晋也

日産スカイラインGT-Rやホンダ・ドリームCB750FOURと同じ年に誕生。20世紀に自動車メディア界に飛び込み、2010年代後半からは自動車コラムニストとして活動しています。モビリティの未来に興味津々ですが、昔から「歴史は繰り返す」というように過去と未来をつなぐ視点から自動車業界を俯瞰的に見ることを意識しています。
個人ブログ『クルマのミライ NEWS』でも情報発信中。2019年に大型二輪免許を取得、リターンライダーとして二輪の魅力を再発見している日々です。
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