■1台のセンサーでどの車線のクルマも一網打尽に!
「なんだか最近、オービス減ってない?」そんなアナタの観察力は大正解。実はオービス撤去は全国的に続いています。でも油断してはいけません。そんな流れの中、新型のオービスも投入されているのです!
2018年、大阪の国道26号上り線(第2阪和国道)に設置されたのが新しいオービス。一見、東京航空計器製の新L型オービス(デジタルver.)かと思いきや、明らかにL型よりスマートな上に、さらに赤外線ストロボとカメラの下に見慣れない窓があるのです! これが新型の証?
今まで、スピード取り締まりの速度測定方式と言えば、レーダー、ループコイル、光電管の3つが定番でした。そのうち固定式オービスに関しては、レーダーとループコイルのどちらかでしたが、ついにアメリカで主流のレーザー式による新型オービス導入が確認されたのです!
レーザー式は数年前から、可搬式や半可搬式等の新型移動オービス(有人取締)で導入されていますが、無人取締の固定式オービスに採用されたのはこの第2阪和国道が全国でも初めてです。このレーザー式取り締まりは既に移動オービスにて数々の実績が積まれていますが、その結果、いよいよ固定式オービスにも採用されたというわけです。
新型オービスは他にもあります。そのひとつが、大阪府豊中市内の国道423号線に初めて設置されたレーザー式Hシステム(LiH)。もともとここにあったHシステムの支柱とベースを利用してストロボとカメラ(+周辺監視用の防犯カメラ)を固定し、路肩に設置されたレーザースキャンセンサーで「獲物」の速度を測る仕組みです。レーザースキャンセンサーは1台で複数車線を捕捉できるため、走行車線側にいても回避は不可能。ちなみに同型のオービスが、大阪府枚方市内を走る国道1号線下り、同じく大阪府吹田市を走る中央環状線外回りでも確認されています。
レーザー式Hシステムは、路面にループコイルを埋める必要があるループコイル式と比べて手間と費用も節約できるうえ、残念ながら従来型のレーダー探知機は無力! 今のところ、大阪府以外での導入例は見つかっていませんが、今後は全国に普及していく可能性が高いでしょう。
一方、新型レーザー式ならではの問題点とされているのが、「測定精度は大丈夫なの?」ということです。事実、警察庁が導入した生活道路対応の新型オービス「センシスSSS」を開発したスウェーデンの測定器メーカー、センシス・ガッツォグループの役員、フィリップ・ウィジャース氏はレーザー式新型オービスに関してこんな疑問を投げかけています。
「弊社がレーザー式に手を伸ばさないのは精度の問題です。ある中東の国ではレーザー式を採用しようとしましたが、雨が降ると全然ダメだった。それに、果たして耐久性はどうなのかも気になります」
ちなみにレーザー波による速度計測の原理はこうなっています。
「LIDAR(英語:Light Detection and Ranging、Laser Imaging Detection and Ranging、「光検出と測距」ないし「レーザー画像検出と測距」)は、光を用いたリモートセンシング技術の一つで、パルス状に発光するレーザー照射に対する散乱光を測定し、遠距離にある対象までの距離やその対象の性質を分析するものである」(Wikipedia参照)
ドライバーにとっては、レーザー方式だからといって注意点は従来と同じ。手前の警告板等に十分、注意して安全運転を心がけましょう!
(フードライズ)
※この記事は2021年10月22日に再編集しました。
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