クルマで行ける紅葉スポット東北編(宮城)【車中泊女子の全国縦断記】

クルマで行ける紅葉スポット東北編・その3は「杜(もり)の都」宮城県仙台市。東西に広がる青葉区の南東部は江戸時代から仙台の中心地ですが、今回は反対側の北西部の名所を3ヶ所ご紹介します。

【秋保(あきう)大滝】

宮城県仙台市太白区秋保町馬場字大滝

神仏習合が残る真言宗智山派・西光寺にまずはお参り。ちょっとした門前町があり、お土産屋さんが5〜6軒ほど建ち並んでいました。秋保大滝周辺に観光客は多いけど、本堂を訪れる人はあまりいないので穴場とも言えます。

こちらの不動堂は、平安時代初期、慈覚大師が山形県の立石寺(りっしゃくじ/通称:山寺)へ向かう途中、この地に留まり不動明王を安置したという伝説があり、立石寺 奥の院ともいわれています。

現在のお堂は文政8年(1825年)に地元出身の知足上人が不動堂を建立し、本尊を再興したものです。堂内には大滝不動明王座像が安置されています。

秋保大滝 滝見台へ続く遊歩道の途中に建つお茶屋さんも風情があります。不動堂から徒歩1〜2分、お茶屋さんから滝見台へは2〜3分です。

秋保大滝は、落差55m/幅6mの雄大な瀑布。蔵王国定公園および県立自然公園二口峡谷の地域内を流れる名取川上流部にあたります。国指定名勝、日本の滝百選のひとつにも数えられ、「日本三大瀑布(大滝)」あるいは「日本三名瀑」のひとつとも讃えられています。

ちょうど夕陽が滝の真後ろに落ちるころで、後光が射してるようでした!

滝壺まで降りられるように遊歩道「新・奥の細道 秋保大滝パノラマのみち」が造られています。もっとも近い不動滝橋に、普通車7〜8台くらいの駐車場があります。遊歩道は整備されてて歩きやすいとはいえ、階段つづきでかなりの急勾配。常に湿気を帯びているので足下にお気をつけください。

秋保大滝周辺には数多くの社寺や仙台市秋保大滝植物園(4月〜11月)、秋保温泉もあるので、レジャーには事欠きません。

【ニッカウヰスキー仙台工場・宮城峡蒸溜所】

宮城県仙台市青葉区ニッカ1
9時〜11時30分/12時30分〜15時30分

ニッカウヰスキー創業者の竹鶴政孝氏は新川(にっかわ)の清流を汲み飲んで、あまりにも清冽で磨かれた味に驚嘆し、仙台工場の建設をここに決定したのだそうです。そして1969年5月10日、北海道余市に続く第二のウイスキー工場が誕生しました。

「ニッカ」とは、竹鶴氏がウィスキー製造を開始するため設立した【大日本果汁】を短縮して「日」「果」=「ニッカ」ウヰスキーという名称になったのだそうです。

竹鶴氏は自然を大切に考えていたようで、工場建設の際も「自然の起伏をそのままに」という意向のため、地面が緩やかにカーブしています。樹木の伐採も最小限にして、電線は地下へ埋めてあります。建物がレンガ造りなのも自然の景観を損なわないため。自然が豊かだから、歩くのも森林浴気分で楽しいです。

工場見学は、以前はおのおの自由に見学できたそうですが、NHKの連続テレビ小説『マッサン』効果で見学者が激増したため、ガイド付きで10分〜15分おきくらいにまとめて案内されます。所要時間は約1時間です。

大麦麦芽を乾燥させるための乾燥棟(キルン棟)、仕込み棟、蒸溜棟(単式蒸溜器/ポットスチル)などを間近に見学できますが、撮影禁止のところもあるのでご注意ください。

工場見学のラストは、お待ちかねの試飲です!(当然ですがドライバーは試飲できません)

無料試飲はお一人様3種類を各1杯まで。ウィスキーに慣れないわたしはいきなりストレートでゴクっと飲んでむせてしまいました。もちろん、ロックも水割りもできます。有料の試飲もできますし、お土産品などの販売コーナーも充実してますよ。

仙台工場から国道48号線を西へ1kmほど走ると、右側にロッククライミングのメッカ・鎌倉山(通称「ゴリラ岩」/標高520m)がそびえています。

岩壁と紅葉のコントラストが素晴らしく、国道との間にはJR仙山線が走っているので紅葉をバックに列車を撮るには最高のロケーションです。

【定義如来 西方寺】

仙台市青葉区大倉字上下1
7時〜17時
※12月31日(大晦日)は7時〜17時、22時〜1月1日(元日)の18時まで。

西方寺(さいほうじ)は浄土宗の寺院。正式名称で呼ばれることは稀で、一般に「定義如来(じょうげ にょらい)」や「定義山」=「定義さん」と呼ばれています。

平重盛の重臣である肥後守・平貞能(たいらのさだよし)が、壇ノ浦の戦い後に当地に隠れ住んだとされる平家落人伝説が残っているそうで、その貞能が安徳天皇と平氏一門の冥福を祈って阿弥陀如来を安置し、また改名して「定義」(さだよし)と名乗ったことが「定義山」の由来といわれています。

門前町はお土産屋さんや茶店が軒を連ね、賑わいを見せています。

定義山とくれば、セットで有名なのが大きな「三角あぶらげ」! できたて熱々、ふわっふわの油揚げに、お好みで七味や醤油をかけていただきます。これがもう「油揚げってこんなに美味しいものだったのね!」と感動しますよ!

参道沿いには、延命地蔵や鐘楼堂・お手水場が並び、楼門形式の山門には「阿吽(あうん)の像」=密迹金剛神(阿形)と那羅延金剛神(吽形)、内面には世親菩薩と無著菩薩が安置されています。山門をくぐると、正面には彫刻が素晴らしい貞能堂(御廟)。

奇岩が御神体の将軍地蔵、長命水(湧き水)、安徳天皇の遺品が眠る天皇塚、縁結びのご神木「連理の欅(ケヤキ)」、総青森ヒバ造の五重塔などなど、見どころがたくさんあります。

3月から11月の毎月7日は五重塔祭典日で御開帳され、御本尊・阿弥陀如来を拝むことができます。こちらの如来さまは「一生に一度の大願を叶えてくれる」として有名だそうですよ!

今年は紅葉シーズンが早まっているので、10月中旬〜下旬には見頃を迎える予報です。

(松本しう周己)

この記事の著者

松本しう周己 近影

松本しう周己

高校は美術科を卒業し、印刷会社のデザイン部に就職するも2年足らずで退職してフリーターに。主にコンサート・イベント関係で全国を駆け回る。その後、なぜかウェブデザインの道へ。仕事としては車との接点はまったくないが旅行好きでドライブ好き、20年前から道の駅などで車中泊していた。
「ネットを通して仕事ができれば、どこにいても構わないのでは」と、2005年、ついにキャンピングカーを自宅兼仕事場としてしまった。根は機械オンチなため、日進月歩の日々。
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