レッドブル・エアレース参戦中の室屋義秀選手のシーズン報告会が10月28日に室屋選手のホームグラウンド、福島スカイパークで開催されました。今シーズンの結果と来年に向けての抱負などをお伺いしました。
── 今年の振り返りは
進化をしたが、歯車が噛み合い切れなかったシーズンでした。
── 開幕戦アブダビ、第2戦シュピールベルクとGオーバーで失格しました。
シーズン開幕前に、勝ちに行くためにウイングレットを製作しましたが、レギュレーション(使用認可の)変更により装着できなかったり、Gセンサーシステムの変更が直前に行われたりと、出ばなをくじかれました。しかし、得られたデータからはポテンシャルが確認でき、次戦千葉以降はライバルと戦えるという実感を得て、日本に戻ってきました。
── 千葉での優勝では他の選手が喜んでくれたと聞いていますが。
特にトレーニング時代から苦楽を共にし、同期デビューを果たした「2009年組」(マティアス・ドルダラー、マット・ホール、ピート・マクロード)で一番最後の優勝でした。
それぞれの初優勝の時は皆で喜んだのですが、私の時も同じように皆喜んでもらえました。千葉戦は全力で戦い、実力で勝ち抜いた。皆も全力で戦い天候に左右されるところも少なかったので、納得の1位だったのではないかなと思います。
── 中盤のブダペスト(ハンガリー)は5位、アスコット(イギリス)は8位、ラウジッツ(ドイツ)は14位と残念ながら振るいませんでした。
ブダペストは予選中止でしたが、他は3位、4位と悪くなかった。予選は全力を出す、一発のタイム勝負なので好きです。
しかし、レースに入ると相手に勝つ・先にフィニッシュする事は必ずしも全力を出さなくてもよいのです。ある程度余裕を残して勝ち進めばいいのですが(エンジン等への負荷が抑えられえる)、その調整が上手くいかなかったのが反省点です。対策としてメンタルコントロールのトレーニングをしています。
── ランキングは昨年と一緒でしたね
昨年はシーズン終盤に追い上げての6位に届いたという感じでしたが、今年はもっと上を目指せる感じだったのに、色々あって6位に収まりました。全体的なチーム力としては今年の方がずっとあると思っています。