来年は頂点を目指す。ゆくゆくは宇宙へも!? ── レッドブル・エアレース 室屋選手シーズン報告会

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──  国内活動について教えて下さい

エアーショーを岩国基地(山口)や高松(香川)など、九州から北海道まで日本全国を回っています。この後も笠岡(岡山)や御坊(和歌山)、土浦(茨城)などで開催する予定です。

エアーショー、私はなかなか見る事は無いのですが(笑)、生でみると音と迫力がTVと全然違いますから、ぜひ生で見て欲しいですね。追っかけて回るのは大変ですから、我々の方から出掛けて行ってアビエイションの魅力を知って頂きたいと思います。

──  エアレースでの優勝以来、スカイスポーツの目にする機会が増えたように思います。

今年もNHKさんが全戦放送してくれて、優勝の後は民放さんにもよく取り上げていただきました。

エアレースといえば「何か風船の間をこんなん(手をくねくね)だよね」感じにはなりました。前はエアレースというと「へー、何?」とか「”エアギター”みたいななんちゃってレーサー?」そんな会話でしたが、ここ1,2年で飛行機がパイロンの間を飛ぶ競技……くらいには広まったと思います。

──  世界で活躍する室屋さんを見て、将来パイロットになりたいお子さんたちも増えているのでは?

航空に興味を持った子が必ずしもパイロットになる必要は無くて、整備とか管制官とか航空関係の仕事に興味を持つきっかけになり、進める環境ができると良いですね。

ここ福島県では子供たちを対象に航空教室を大規模にやっています。これを長く続けていけば、参加した子供たちが大学・専門学校を卒業しています。その頃にこの地域に航空産業が育っていれば、自然と興味を持った世界に就職していける。そういう地域を作っていきたいと思っています。

航空先進国に比べると日本はまだまだで、アメリカにはこのような小型機が40万機ありますが、日本は700機程度。その位規模が違う。これから広がっていけば、まだまだ爆発的に広がるポテンシャルはあると思っています。

──  福島の復興にかける想いは?

’98年に開港して、良い環境だったのでそれを機会に引っ越してきました。この空港で練習させてもらって、トレーニングを積んで、それで初めて世界の頂点に手が届きました。

この結果は、地元の支援、皆さんの力の賜物なんです。僕はコックピットにいて喋る役なので目立つのですが、これは全員の力によるもの。頂いた力はなるべく地域に還元してそれを次の世代に…となってくると思います。

航空宇宙産業の発展というのは県知事も明言されてますし、これからもっと大きい施設、何だったら宇宙基地を作るとか色々なことを妄想では思っていますが、そのうち実現するんじゃないかとも思っているんですけどね。

──  室屋さんもゆくゆくは宇宙に飛び立つんですか?

実現するころには、僕はもう老齢なんで、僕はそこでアクロバットの練習だけできたらいいと思ってます(笑)次の世代が飛んでると思います。

──  最後にファンの皆さんにメッセージをお願いします。

2016年もエアレース、エアショー含めて皆さんのお蔭で無事に終わりました。一歩成長できたと思ってます。

来年はさらにもう一歩成長して、本当に頂点を目指す戦いに入ってくると思いますので、本当に皆さんの力が必要です。オールジャパンで戦っていかないと、勝てる世界ではないので、また来年もよろしくお願いしたいと思います。