発電するサスペンションを米独が共同開発

自動車パーツの大手サプライヤーであり、ドイツに本拠を置くZF社が、画期的なサスペンションの開発を行なっていることを発表しました。

ZF_Regenerative_Suspension

ZF社が、アメリカのレバントパワー社とパートナーシップを締結して開発を進めているという、その画期的なサスペンションとは、発電するダンパーを軸としたフルアクティブサスペンションです。

電子制御により、様々なファクターを最適にコントロールするアクティブサスペンションは理想的な機能ですが、消費電力が大きい傾向にあります。エンジンで発電する限り、それは燃費の悪化につながります。

今回、ZF社とレバントパワー社が共同開発しているダンパーは、ケース脇に油圧で動く電気モーターを配置、サスペンションがストロークする際の、ダンパーオイルの動きを利用して発電しようというもの。また、発電ユニットによるオイルの規制は、減衰力(ダンパー本来の機能)のコントロールも考慮しているそう。

現段階では、開発しているという事実の発表ですから、具体的な数値は明らかとされていません。しかし、サスペンションのストロークによって発電することで、ダンパーとしての機能を高めつつ、燃費性能の向上につながる、革新的なテクノロジーになるであろう、とZF社はアピールしています。

(山本晋也)

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山本晋也

日産スカイラインGT-Rやホンダ・ドリームCB750FOURと同じ年に誕生。20世紀に自動車メディア界に飛び込み、2010年代後半からは自動車コラムニストとして活動しています。モビリティの未来に興味津々ですが、昔から「歴史は繰り返す」というように過去と未来をつなぐ視点から自動車業界を俯瞰的に見ることを意識しています。
個人ブログ『クルマのミライ NEWS』でも情報発信中。2019年に大型二輪免許を取得、リターンライダーとして二輪の魅力を再発見している日々です。
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