ガソリン+ガス+電気の3Wayハイブリッド「プリウスα」タクシー登場 !

中四国地域でタクシー保有台数No.1を誇る岡山交通㈱の両備タクシーグループが標準仕様比で2倍の航続距離を誇るトヨタ プリウスαを開発したそうです。 

岡山交通㈱ プリウスαタクシー仕様 (出展 岡山交通)

岡山トヨタ自動車㈱、岡山トヨペット㈱、(有)エフ・ケイメカニックの3社の協力により実現したこのクルマ、燃料に通常のガソリンの他、LPG(液化石油ガス)も使えるようにして環境性能を高めていると言います。つまり、ガソリン+LPG+電気の「3way」タイプのハイブリッドカー 。

燃料給油口を開けると、そこにはLPGを注入する為の充填口が。LPG対応車として改造を施したことで、CO2の排出量がガソリンよりも12%削減される為、更に環境に配慮した運行が可能に。気になる航続距離は実に2,106km !

同社は2010年以降、タクシー用に環境負荷が低く低燃費なプリウスを10台導入していますが、その後、後席の足元がさらに30mm、頭上が45mm広いプリウスαの導入を検討開始。 

しかしながら同車の場合、全長が4,615mmと僅かながらタクシー車の「小型」枠である4,600mmを超える事から導入を躊躇していた模様。そこで思いついたのがプリウスαを「小型」枠に収めるべく、全長を短縮するアイデア !

全長短縮に目をつけたのがリヤバンパー。25mm短縮(全長4,590mm)したバンパーを協力会社へオーダーして見事製作に成功。 

これにより足元スペースが余裕で、しかも運賃が割安な「小型」料金で乗れるプリウスαのタクシー仕様車が完成、正式導入に踏み切ったというもの。 

岡山交通㈱ プリウスαタクシー仕様 (出展 岡山交通)

運行経費低減に繋がることから、HV仕様のプリウスなどエコカー導入が進むタクシー業界ですが、僅かな全長差で「中型」料金仕様となるところを発想の転換で回避した点がミソというワケです。

トヨタのタクシー専用車とてはクラウンシリーズの「コンフォート」が一般的ですが、「小型」同士の比較ではプリウスαの方が後席足元に余裕が有るという点が両備タクシーグループの目の付けどころ。 今後、日本全国のタクシー会社がこぞって本事例を参考にすると思われます。

岡山交通㈱ プリウスαタクシー仕様 ( 出展 岡山交通)

トヨタは「プリウスα」の開発構想段階でタクシー車への利用は勿論想定していなかったと思われますが、HVの利便性を考えると、同車のマイナーチェンジや次期モデルでは予め全長を4600mm以内に抑えておいた方が良さそうです。 

■岡山交通㈱ Webサイト
http://okayama-kotsu.com/ 

■国土交通省 タクシー運賃制度
http://www.mlit.go.jp/common/000037426.pdf 

 (Avanti Yasunori) 

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この記事の著者

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Avanti Yasunori

大手自動車会社で人生長きに渡って自動車開発に携わった後、2011年5月から「clicccar」で新車に関する話題や速報を中心に執筆をスタート、現在に至る。幼少の頃から根っからの車好きで、免許取得後10台以上の車を乗り継ぐが、中でもソレックスキャブ搭載のヤマハ製2T‐Gエンジンを積むTA22型「セリカ 1600GTV」は、色々と手を入れていたこともあり、思い出深い一台となっている。
趣味は楽器演奏で、エレキギターやアンプ、エフェクター等の収集癖を持つ。
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