中学生から本格的レーサーを育てる中高一貫校が誕生【野田英樹レーシングアカデミー】

野田英樹さんが将来の日本を代表する、一流のドライバーを育成するための学校を設立しました。

現在、若手ドライバーの育成というのは、例えば熱心な親が休日や夏休みなどにカートコースなどで独自に練習し、大会で成績を残してそのうちに芽を出す、といったパターンが一般的でしょうか。

野田選手(校長)もご自身の経験からも、なるべく効率の良く優れたドライバーを産み出すにはとにかく走り込むことが大事と、学校との両立を考えました。その結果、平日でもクルマに触れられる環境を作れる「学校」が必要だとの結論に達しました。

ここでいう「学校」は塾や専門学校のような場でなく、小学校卒業から入り、卒業するとちゃんと中学、高校を出た学歴を得られる学校です。

全寮制で、放課後もクルマに触れ、運転できる環境です。

そのため、ツインリンクもてぎ、茂木町などもバックアップ。茂木町は、中学校をこのレーシングアカデミーのために提供。発表会には茂木町町長も駆け付けていました。そのためにレッスン用のフォーミュラモデナのK660というフォーミュラマシンも用意します。

カリキュラムはレーサーに必要なことを考えたものが用意されます。

運転だけでなく、体力作りはもちろん、クルマの構造、メカニックの仕事、将来海外で活躍する前提なので英語、スポンサーと交渉するためのプレゼン能力なども鍛えていくとのこと。

また、全員が一握りのトップドライバーになるかといえばそれも無理でしょう。なので、テストドライバー、メカニック、チーム運営などクルマ業界に就けるような教育は行うとのこと。さらに、場合によってはまったく違う職種への勉強が必要になればそれも用意するそうです。

海外には一流プロテニスプレイヤーを育てるような学校はあるそうです。日本でもゴルフに力を入れた学校はあるでしょう。

まだ、この学校がうまくいくか、さらにそこから一流ドライバーが生まれるかはまったくの未知数です。けれど、野田校長のキャラクターやこれまでの人間関係、そしてなによりその熱意から、それが可能になるのは野田英樹さんしかいないと感じました。講師陣も野田さんの熱意に絆されて集まって来ているのようにも思えます。

ぜひ、学校運営がうまく軌道に乗り、世界に通用するドライバーが日本から生まれることを願いたいですね。

NODAレーシングアカデミー:栃木県芳賀郡茂木町大字鮎田2020 http://www.noda-racing-academy.org/
東京オフィス:東京都港区麻布台2-3-3Daiwa麻布台ビル2F Tel03-6435-5410

(小林和久)

この記事の著者

編集長 小林和久 近影

編集長 小林和久

子供の頃から自動車に興味を持ち、それを作る側になりたくて工学部に進み、某自動車部品メーカへの就職を決めかけていたのに広い視野で車が見られなくなりそうだと思い辞退。他業界へ就職するも、働き出すと出身学部や理系や文系など関係ないと思い、出版社である三栄書房へ。
その後、硬め柔らかめ色々な自動車雑誌を(たらい回しに?)経たおかげで、広く(浅く?)車の知識が身に付くことに。2010年12月のクリッカー「創刊」より編集長を務める。大きい、小さい、速い、遅いなど極端な車がホントは好き。
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