いつの時代も新しい発想というのは素晴らしいものだと感じますが、今回はちょっと時代を先取りしすぎてしまったモデルをご紹介いたします!
まず、最初にご紹介するのが「スズキ・ツイン」(2003~2005年)
こちらのモデルはアルトをベースにホイールベースを縮めて2シーター化したモデルで、まさにシティコミューターとして登場したものでした。しかもハイブリッドモデルも設定があり、10.15モード燃費で34km/lとかなりの低燃費!
しかし、売上が振るわずに2度目のマイナーチェンジ時にハイブリッドがカタログから落ち、そのおよそ半年後には生産終了となってしまいました。
そして3年後、トヨタから「iQ」という2シーターモデルが発表されます。
またハイブリッドではありませんが、iQベースの電気自動車「FT-EV」も2009年の北米国際オートショーに登場していましたね。
■写真参考:Wikipedia
続いては「日産・プレーリー(初代)」(1982~1988年)
まだ「ミニバン」というカテゴリーもなかった1982年に、ベンチシート3列・8人乗りで回転対座シートも設定されている、まさに今販売されているミニバンの祖ともいえる装備を持って登場しました。
実は先取りしていたのはパッケージングだけではなく、なんとセンターピラーレスの大開口部を持ったサイドドアを採用。これは現在「トヨタ・アイシス」や「ダイハツ・タント」などが採用していますが、両車とも助手席側だけ。
しかしプレーリーはなんと両側がピラーレス!しかもリアゲートがバンパーレベルから開くタイプだったため、すべてのドアを開けたときの解放感は計り知れないものだったでしょうね。
ただ、当然のことながらボディ剛性に難があったようで、走行距離が進むとコーナリング中にルームランプが点灯…なんてこともあったようです。
■NISSAN HERITAGE COLLECTION プレーリー JW-G(NISSAN HERITAGE COLLECTION online)
http://nissan-heritage-collection.com/DETAIL/index.php?id=159
ちなみに初代プレーリーには4ナンバー登録のバン仕様もありました。これはこれでとっても便利なような気がしますね。そろそろこんなコンセプトの商用車が登場してもいい頃かも!?
ということで、時代を先取り過ぎてしまったモデルをご紹介いたしましたが、「失敗は成功の母である」という名言もありますし、メーカーさんにはこれからもアッと驚くような新モデルを開発していただきたいものです。
(小鮒 康一)