お得にクルマ購入する裏ワザ?車庫証明を自分で取るのは意外と簡単

●自分で車庫証明を取得し、代行手数料払わずお得にクルマの購入をしよう

新車・中古車購入の際に、注文書の手数料一覧の中にある「車庫証明取得代行手数料」はお店によって異なりますが、おおむね1万円前後の手数料が計上されています。クルマ購入者の代わりに、お店が車庫証明取得手続きを行うための手数料なので、自分で車庫証明を取得すればかからない費用になります。

車庫証明を取るのはそこまで難しい手続きではありません。今回は、元自動車ディーラー営業マンが、車庫証明を自分で取るための方法を伝授します。

・車名と型式はカタログには載っていない

まずは自動車保管場所証明申請書・保管場所標章交付申請書を準備します。自動車ディーラーや警察署で入手することができる4枚複写式の用紙です。警察庁HPからもダウンロードでき、この場合は複写用紙にならないので、各申請書を2枚ずつ印刷し記載します。記載事項は車名、型式、車体番号、車の大きさと申請者の住所・氏名・電話番号です。

車庫証明
注意すべきは「車名」と「型式」、この部分の記載を間違うケースが多いです。

注意すべきポイントは2つあり、車名と型式の部分です。一般に車名というと「プリウス」「フィット」などのクルマの名称が入りますが、車庫証明での車名には「トヨタ・レクサス・ダイハツ」などのメーカー名が入ります。

また型式にはカタログに載っている通称型式(フル型式)ではなく、認証型式を記載する必要があります。例えばトヨタ・プリウスの場合、車名は「トヨタ」となり、型式はカタログに載っているZVW30-AHXGBではなく、「DAA-ZVW30」のような排ガス記号を入れたものとなります。

カタログ
カタログに載っている型式は、車庫証明に記載する型式ではないので注意しましょう。

この車名と認証型式はカタログなどの比較的手に入りやすいものには記載されておらず、車検証に記載されているものになります。中古車の場合は車検証の写しや登録事項証明書の写しをもらって、転記するのが最も正確です。新車の場合には、ディーラーの担当者に必ず確認をしましょう。

車検証
車検証には「車名」と「型式」が載っています。これを車庫証明に転記します。

・車庫となる場所は誰の土地なのか

次に保管場所使用権原疎明書面(自認書)と保管場所使用承諾証明書のどちらかを準備します。この書類は、車庫に使う土地の所有者にクルマの保管許可をもらう書類です。自分名義のクルマに自分の土地を使う場合には、自認書を準備します。この場合は申請書と同じ印鑑を押印してください。

クルマの使用者と保管場所の土地の名義人が異なる場合は使用承諾書を準備します。土地の名義人に使用承諾書への署名・捺印をもらいます。マンション住まいの場合は管理組合、アパートであれば大家さんに相談しましょう。駐車場の土地を親族が所有している場合でも、その土地の所有者からの署名・捺印が必要です。

例えば妻名義のクルマを購入し、自宅の土地が夫の名義の場合は、自動車保管場所証明申請書・保管場所標章交付申請書は妻の名前で、保管場所使用承諾証明書は夫の名前で用意しなければなりません。それぞれの書類に押す印鑑は、この場合は別のものを使用します。同じ印鑑を押してしまうと使用承諾書の効力が発揮されませんので、押印する印鑑には注意が必要です。

・配置図はネット地図と簡単な図形を手書きするだけ

保管場所の所在図・配置図は左右に分かれており、左側の所在図には保管場所周辺のグーグルマップなどの、インターネット上の地図を印刷して貼り付ければ記載は完了です。大きく印刷されて貼り付けが難しい場合には、別紙添付と記載し、印刷した地図を一緒に提出してもOKです。

右側へは、保管場所と接続道路の関係性を記載する必要があります。自宅の土地の中でしたら、建物と駐車場の大きさを図示し、具体的な保管場所は赤で記載します。この時、赤で記した車両のおおよその縦横の大きさを記載します。前面道路とどのような形でつながり、道路幅がどのくらいあるのかを記載して準備は完了です。

配置図
配置図の右側には、車庫に接続する道路と、建物や車庫の関係を図示すればOKです。

・完成した書類を警察署へ提出

車庫証明は即日交付されるものではありません。地域によりますが平日5日間程度かかります。申請できるのも平日の日中の時間帯のみです。申請時に2100円(地域により変動)の印紙代がかかり、車庫証明交付時に500円(地域により変動)がかかります。

新車の場合はクルマが生産されるまで車体番号(フレームナンバー)が付いていない状態です。車体番号の発行に合わせて車庫証明の申請を行わなければなりませんので、車体番号が付く時期を確認し、クルマを購入したディーラー担当者と打ち合わせをしておきましょう。

無事に発行された車庫証明は、車両の登録手続きを行うディーラー等の担当者に渡します。ナンバーを取得する自動車の登録手続きに必要な書類なので、自己保管し続けないように注意しましょう。

車庫証明の書類有効期間は1か月となっています。この期間内にナンバーを取得する登録作業を行わなければなりませんので、取得時期が早すぎて効力が切れないようにしましょう。仮に取得から1か月が経過したら、車庫証明の取り直しとなってしまいます。

・まとめ

車庫証明の申請は、名義変更や登録手続きを比べると、比較的簡単に行うことができます。代行手数料の節約で、欲しかったオプションを追加できるかもしれません。平日に警察署に行くことができるのであれば、トライしてほしい手続きです。

(文:佐々木 亘)

この記事の著者

佐々木亘 近影

佐々木亘

大学卒業後、銀行員になるも3年で退職し、大好きだった車の世界へ足を踏み入れました。自動車ディーラー営業マンへ転職し、レクサス・セールスコンサルタントとして自動車販売の現場に7年間従事します。
現在はフリーライターとして独立し、金融業と自動車ディーラーでの経験を活かして活動中です。車にまつわる金融・保険・法規などの、小難しいテーマを噛み砕き、わかりやすい情報へと変換して発信することを心がけています。常にエンドユーザーの目線に立った、役立つ情報を届けていきたいと思います。
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