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■操る楽しさを味わいたいMT愛好家は絶対買い!
今や国産新車の大半がAT(オートマチック・トランスミッション)車になっている昨今ですが、それでもなんとか(?)生き残っているMT(マニュアル・トランスミッション)車。特にスポーツカーやオープンカーなどでは、「自分で操っている」気分が味わえるということで、MT車を選ぶ方も多いでしょう。
ここでは、そんな「頑固一徹」MT派のために、今新車で買える国産スポーツカーとオープンカーの中からマニュアル仕様がある主なモデルをピックアップしてみました。
なお、ここで紹介するのは、アクセル・ブレーキ・クラッチの3ペダルがあるモデルに限定。ATモード付きシーケンシャルトランスミッション車やパドルシフト付きAT車は除外しています。
●トヨタ・86/スバル・BRZ
2.0L・水平対向4気筒エンジンを搭載、トヨタとスバルが共同開発した2ドアクーペモデルです。86の方は、1980年代に一世を風靡した名車「AE86」(通称ハチロク、カローラレビン/スプリンタートレノの型式名)の名前を譲り受けたことは、クルマ好きの方々の間ではあまりにも有名な話ですよね。
スポーツカーファンならご存じの通り、86とBRZは兄弟車。6速マニュアルミッションを搭載し、日本では貴重となったフロントエンジン+後輪駆動のFRスポーツです。街乗りからワインディング、サーキット走行まで、軽快な走りが楽しめるのが魅力です。
価格(税込)は86が267万1900円〜、BRZが247万5000円〜。それぞれによりスポーティなグレードとして、86 GR SP0RT(385万円〜)やBRZ STi Sport(359万7000円〜)なども設定されています。
●マツダ・ロードスター/ロードスターRF
1989年に発売された初代NA型(当時の車名はユーノス・ロードスター)以来、根強い人気を誇る国産ライトウェイトスポーツの代表格。
4代目となる現行のND型には、ソフトトップモデルのロードスター、電動ハードトップ(リトラクタブルハードトップ)仕様のロードスターRFをラインアップ。エンジンには、高圧縮比で燃焼効率と燃費性能を向上した直噴式の1.5L・直列4気筒「スカイアクティブ-G 1.5」を採用。いずれのモデルも、MT仕様には6速トランスミッションを採用しています。
2019年には生誕30周年を記念し、専用色のレーシングオレンジを採用した特別仕様車「ロードスター30周年記念車」も登場。同年11月にはマイナーチェンジも行われ、先進安全機能アドバンスSCBSが夜間歩行者検知機能に対応するなどの一部改良も施されました。
価格(税込)は、ロードスターが260万1500円〜、ロードスターRFが343万9700円〜です。
●日産・フェアレディZ
誕生50周年を迎えた日産が誇る2ドア・クーペモデル。1969年発売の初代S30型から世界的な人気を誇り「日本製スポーツカー」の名を世に轟かせた名車の直系モデルです。
2008年に登場した現行の6代目Z34型は、スポーツカーのスタイルのひとつ「ファストバック型」と呼ばれる流麗なフォルムを持ち、336psを発揮するエンジンには3.7L・V型6気筒のVQ37VHR型を採用。もちろん、6速MT車の設定もあります。価格(税込)は397万9800円〜です。
2019年には、2020年3月末までの期間限定で、50周年特別仕様車も発売。ホワイトとレッド、またはグレーとブラックの2トーンカラーモデルも登場しました。
●ホンダ・シビック タイプR(近日登場)
次は、今年発売が予定されているモデルの情報です。
320psを発揮する2.0L・直列4気筒の直噴ターボエンジンを搭載したFFスポーツモデルが「シビック タイプR」。1997年に初代EK9型が発売されて以来、世界中のホンダファンから大きな支持を得てきたモデルで、高回転まで一気に吹け上がる可変バルブ機構「VTEC」の名を一躍有名にしました。
2017年に発売された5代目モデルは現在ラインアップ落ちしていますが、2020年後半にグリル開口部を拡大するなどのマイナーチェンジが施され再登場することが発表されています。
前モデルはMT仕様のみの設定でしたが、もちろん、新型にもマニュアルトランスミッションも搭載され、高速コーナリング中も軽快に操作できる新型シフトノブが採用されます。また、国内200台限定で、イエロー×ブラックの専用カラーや20インチ鍛造ホイールを装備したリミテッド・エディションも発売されます。
MT車好きやタイプRファンに新型の登場は朗報。きっと待ち遠しい1台でしょう。
●スズキ・スイフトスポーツ
スズキのハッチバック型コンパクトカー、スイフトのスポーツ仕様「スイフトスポーツ」。ワインディングからサーキット走行まで、様々なシーンでキビキビと走るこのクルマにも、MTは欠かせない設定だといえるでしょう。
140psを発揮するエンジンは1.4L・直列4気筒の直噴ターボで、MT車には6速マニュアルトランスミッションを採用しています。価格(税込)は、187万円〜です。
●トヨタ・GRヤリス(近日登場)
コンパクトカーのスポーツモデルでは、ほかにも2020年夏に登場が予定されている、トヨタ・ヤリスの高性能仕様「GRヤリス」にもMTが採用されます。
新型ヤリスをベースに、WRCなどラリー競技向けに走行性能を向上させたのがこのモデル。6速マニュアルミッションを搭載、駆動方式は4WD(4輪駆動)で、1.6L・直列3気筒インタークーラーターボエンジンは最高出力272ps、最大トルク37.7kgf・mを発揮します。
また、高速で走るコーナーや悪路などでもパワーを無駄なく路面に伝えるトルセンLSDなども採用するなど、限りなくレース車両に近い装備も魅力です。
公式ホームページで事前予約を受付中で、価格(税込)は396万円〜です。
●ホンダ・S660
軽自動車のスポーツタイプも根強い人気があります。特に、最近は若い世代を中心に、サーキット走行向けに車両代やランニングコストが安い軽自動車を選ぶユーザーが増えてきました。
そんな軽スポーツカーの代表格が、ホンダの「S660」。脱着式ソフトトップ「ロールトップ」を採用した2人乗りオープンカーで、ソフトトップを外した状態でもシート背後のロールバーが残るタルガトップ風のデザインを採用。
エンジンは0.66L・直列3気筒ターボで、MT仕様は6速マニュアルトランスミッションを採用します。2020年1月にマイナーチェンジされ、ヘッドライトの色やフロントグリルのデザインなどが変更されました。価格(税込)は、203万1700円〜です。
●ダイハツ・コペン
2人乗りの軽オープンカーの「コペン」にもMT設定があり、走りが楽しめるモデル。電動格納式ハードトップを採用し、晴天時などに心地良い風を感じながら走ることができるのも魅力です。
2014年に登場した現行の2代目LA400K型は、最高出力64psの0.66L・直列3気筒エンジンを搭載。MT仕様には5速マニュアルトランスミッションを採用します。
また、独自の骨格構造「D-Frame」と内外装着脱構造「DRESS-FORMATION」の採用で、購入後のデザイン変更が可能。Robe(ローブ)、XPLAY、Cero(セロ)など多様なデザインを持つグレードがあるほか、2018年には前モデルのデザインを彷彿とさせるセロをベースにしたハードルーフ仕様のコペンクーペを200台限定で販売。
さらに、2019年にはエアロパーツやサスペンション強化などで走行性能を向上したコペン GR SOPRTも登場しました。
コペンの価格(税込)は188万6500円〜です。
●スズキ・アルトワークス
アルトワークスも軽スポーツとして根強い人気の1台。エンジンには0.66L・直列3気筒インタークーラーターボを採用し、最高出力は64psを発揮します。
駆動方式にはFF(前輪駆動)とフルタイム4WD(4輪駆動)があり、670kg〜740kgという軽量な車両重量などにより、「まさにスポーツカー」と呼べるような軽快な走りが楽しめます。MT仕様はFF車、4WD車共に5速マニュアルミッションを採用しています。
また、シートにはモータースポーツ向けのバケットタイプなどで有名なレカロ製を装備。ターボ過給圧が上がると色が変わるブーストインジケーターも採用するなどで、スポーティに仕上げられたインテリアも魅力です。価格(税込)は153万7800円〜です。
(平塚直樹・写真:トヨタ自動車・日産自動車・SUBARU・本田技研工業・マツダ・スズキ・ダイハツ工業・ウナ丼)