■ロッキーオートが2台の旧車スタイルを提案
愛知県岡崎市のロッキーオートはハコスカやケンメリ、初代フェアレディZといった国産旧車にRBエンジンを搭載するスペシャルショップとして有名です。
![ロッキーオートのブース](https://clicccar.com/uploads/2020/01/TAS2020_ROCKYAUTO_4-20200112100926-800x534.jpg)
古いクルマに新しいエンジンを載せると、パワーにボディが負けてしまう現象も現れます。そこでロッキーオートでは独自のノウハウによりボディを補強しつつ、サスペンションなどを刷新しています。ところが今では、この技術を応用して新たなクルマ作りをしているのです。なんと、国産旧車そっくりなボディパネルを生み出して新しいクルマに被せたレプリカモデルを製作しているのです。
今回の東京オートサロン2020には、ロッキーオートの技術の集大成とも呼べる2台のクルマが出展されました。それがこのトヨタ2000GTそっくりなR3000GTと、4代目スカイラインであるケンメリにそっくりな32ケンメリGT-Rです。
R3000GTと名づけられた白いクルマは、かの名車トヨタ2000GTのスタイルを忠実に再現しています。
![R3000GTのフロント](https://clicccar.com/uploads/2020/01/TAS2020_ROCKYAUTO_5-20200112100926-800x534.jpg)
ベースは比較的新しいトヨタ車を用いて、トヨタ2000GTから型取りした独自製作のボディを被せてしまったのです。このスタイルを生み出すため、元チーム・トヨタのキャプテンだった細谷四方洋さんに監修をお願いしています。細谷さんといえば、トヨタ2000GTによる国際速度記録を打ち立てたトヨタ2000GTスピード・トライアルにも参加した名ドライバーです。そのためでしょう、R3000GTは見事にトヨタ2000GTのスタイルを纏っています。
![R3000GTのリヤ](https://clicccar.com/uploads/2020/01/TAS2020_ROCKYAUTO_6-20200112100927-800x534.jpg)
シャーシは比較的新しいものですから、操縦性は現代的なレベルに仕上がっています。そしてエンジンはトヨタ製3リッター直列6気筒DOHCの2JZです。オリジナルの2000GT以上にスポーツ走行が可能ですし、旧車のような神経質さとは無縁です。オートエアコンやパワーステアリングも装備しているので、誰でも気軽に乗ることができるのです。
![R3000GTのエンジン](https://clicccar.com/uploads/2020/01/TAS2020_ROCKYAUTO_7-20200112100928-800x534.jpg)
![R3000GTのマフラー](https://clicccar.com/uploads/2020/01/TAS2020_ROCKYAUTO_8-20200112100929-800x534.jpg)
もう1台の32ケンメリGT-Rも、同じ手法により製作されたケンメリ・スカイラインのレプリカモデルです。
![ケンメリのフロント](https://clicccar.com/uploads/2020/01/TAS2020_ROCKYAUTO_1-20200112100924-800x534.jpg)
その名の通り、R32型スカイラインのシャーシにケンメリのスタイルを組み合わせているのです。これまで何台ものケンメリ・スカイラインを扱ってきた経験から、そのスタイルを再現することは難しいことではなかったとロッキーオートの渡辺喜也社長は語ってくれました。同社が得意とするケンメリにRBエンジンを載せる手法の正反対といえ、無理のない操縦性やボディ剛性が得られるそうです。
![ケンメリのリヤ](https://clicccar.com/uploads/2020/01/TAS2020_ROCKYAUTO_2-20200112100924-800x534.jpg)
今回のクルマはBNR32、そうですR32スカイラインGT-Rをベースにしています。しかもRB26DETTエンジンはニスモによる新品で、GCGタービンを組み合わせています。ミッションはゲトラグ製6速MTですので、豪快なスポーツ走行が可能になっています。
![ケンメリのエンジン](https://clicccar.com/uploads/2020/01/TAS2020_ROCKYAUTO_3-20200112100925-800x534.jpg)
国産旧車にRBなどの新しいエンジンで、古くても現代的な実用性を備えることを売り物にしてきたロッキーオートですが、この2台が象徴するように新たな旧車の楽しみ方を提案する新たな次元に突入したようです。今後も目が離せないショップの一つでしょう。
(増田満)