ミニバンなのにコーナーが気持ちよく、ディーゼルで痛快加速【ゴルフ トゥーラン TDI】

■お国柄なのか!? とにかく走りが楽しいミニバン

7代目ゴルフで初めて使われた新世代プラットフォーム「MQB」。このプラットフォームのもとで作り上げられた3列シートのミニバンが、ゴルフトゥーランです。

ゴルフ トゥーラン TDIのフロントスタイル
2L・4気筒のディーゼルターボエンジンを搭載したグレードです

このトゥーランにはディーゼルエンジンを搭載したTDIというモデルがあり、今回、その上級グレード・ハイラインに試乗してきました。

ゴルフ トゥーラン TDIのリアスタイル
リアドアにはパワーオープンタイプを採用

全長は4535mm、全幅は1830mm。全高は1670mmというものです。数値で見ると、幅が若干大きめに感じますが、それ以外のスペックは3列ミニバンとしてはコンパクトなものです。ホイールベースは2785mmです。

ゴルフ トゥーラン TDIの3列目シート
身長173cmの記者が座ると頭が若干触れてしまいますが足元には余裕があります

このゴルフ トゥーランの美点は実用本位なリアシートにあります。

3列目シートは上下の寸法がやや不足気味(座面から天井まで890mm)で、身長173cmの記者が座ると頭がつかえてしまうサイズですが、膝周りや足元の空間には余裕があります。

このため小柄な方やお子さんであれば問題なく座れると思います。逆に言うとお子さん専用として割り切ってしまえば、かなりきっちりと座席として使える空間です。

ゴルフ トゥーラン TDIの2列目シート
しっかりした作りのシートは3席とも横幅が同じサイズです

2列目シートに関しては3人掛けとなっています。このシートサイズはたっぷりしたものであり、かつ中央席と左右席の座面幅は同一です。つまりキッチリと大人3人が座れるものになっています。

ゴルフ トゥーラン TDIのインパネ
3ゾーン対応のフルオートエアコンを採用しています

インパネは最近のフォルクスワーゲン流儀のピアノブラックパネルを大きく使ったもの。部分的に使われたクロームも質感を高めています。

実際に乗ってみますと、2L 4気筒ディーゼルターボエンジンの力強さをごくごく低回転から感じます。

スペックとしては、最高出力が150ps・最大トルクは34.7Kgmと必要十分なもの。1630kgの車重に対して「あり余る」といった形ではありませんが、とにかくどんな領域から踏んでもすぐシュッと車速を伸ばして行ってくれます。

ゴルフ トゥーラン TDIの走り
車重1630kgと軽くはありませんが最大トルクを1750~3000rpmまで発生してくれるディーゼルエンジンによって余裕のある走りをしてくれます

また、白眉なのがサスペンションです。フロント・ストラット、リア・マルチリンクとゴルフシリーズと同構成のサスペンションを持っています。

頑丈なシャシーに備え付けられたこのサスペンションは、初期から非常にしなやかに動きます。コーナーでも腰砕けになったりせず、また逆に足が突っ張ってしまうこともなく、非常にしっとりとロールをしながら走らせてくれるのです。

このため3列シートのミニバンとしては異例なほどスポーティにワインディング路を走らせて走らせることが可能です。

おそらくヨーロッパでは家族に加え荷物を満載し、百数十km/hで走らせることが日常だからこそ、のセッティングなのでしょう。

まさにお国柄の違いをたっぷりと味わうことができる、走りのいいモデルでした。

(写真・動画・文/ウナ丼)

この記事の著者

ウナ丼 近影

ウナ丼

動画取材&編集、ライターをしています。車歴はシティ・ターボIIに始まり初代パンダ、ビートやキャトルに2CVなど。全部すげえ中古で大変な目に遭いました。現在はBMWの1シリーズ(F20)。
知人からは無難と言われますが当人は「乗って楽しいのに壊れないなんて!」と感嘆の日々。『STRUT/エンスーCARガイド』という名前の書籍出版社代表もしています。最近の刊行はサンバーやジムニー、S660関連など。
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