●日産自動車が開発中の新しい遮音材「音響メタマテリアル」を公開
クルマには、ロードノイズや風切り音、エンジン音などの騒音を遮断すべく、遮音材、吸音材、制振材が随所に使われています。こうした音、振動を遮断、遮音したり、吸音したりする素材を使うほど重くなり、コストも高くなるという相反する課題を抱えているのが一般的です。
日産自動車が「ニッサン インテリジェント モビリティ テクノロジーツアー」で公開した(担当者によるとかなり思い切って公開したとのこと)音響メタマテリアル(アコースティック・メタマテリアル)と呼ばれる遮音材。周期構造と膜からなる軽量な遮音材料です。
一般的な遮音材と比べると、重量は1/4程度ですみ、遮音性能に優れるのが特徴です。
プレゼンでは、ノイズの上に普通のカーペットと重ねた状態と、この音響メタマテリアル(膜付)を置いた状態で比較。ノイズの遮断がまったく異なり、音響メタマテリアルの抜群といえる遮音効果も確認しました。
まだ、実用化まではまだ時間が必要なようで、「どこに置くのか」最適な配置を探るのにまだ時間がかかるそう。最も遮音材として効果があるのかロードノイズの遮音で、フロアに置くのが最適だそうです。最も効果的なのは、タイヤ由来の音をホイールハウスに内装材(あるいは鉄板と内装材の間)に配置することだそう。
使い方としては、アコースティック・メタマテリアルと膜1枚と組み合わせる、あるいはどこにでも配置しやすいゴムと組み合わせる、重量の利点は減るものの、薄い板1枚と組み合わせるのもアリとしています。
(文/塚田勝弘 写真/塚田勝弘、日産自動車)