●ダカールラリーの日野レーシングトラックには荷台がない?
東京モーターショー2019の日野自動車ブースに展示されているダカールラリー用のレーシングトラック。実際にダカールラリーを走ったトラックですから、展示されていても凄みが違います。
![日野のダカールラリーに出場したトラック](https://clicccar.com/uploads/2019/10/tms2019-hinorally002-20191026085616-800x533.jpg)
そんなレーシングトラックと一般的なトラックは見た目は似ていても雰囲気は全く違います。具体的にどこがどう違うのか出場ドライバーの菅原照仁選手にお話をうかがいました。
![菅原輝仁選手](https://clicccar.com/uploads/2019/10/tms2019-hinorally001-20191026085615-800x533.jpg)
「違いといえば、全く違うと言ってしまえばそれまでですが、一番の違いは荷物を積まないことですね。荷台にあたるカウルの中には実際には荷台はありません」と笑いながら答えていただいた菅原選手。
「積まないといってもスペアタイヤや工具などは積んでいますが、それは荷台ではなくフレームに直接固定しています」
![リアカウルの中](https://clicccar.com/uploads/2019/10/tms2019-hinorally005-20191026085618-800x533.jpg)
「いわゆる空荷のトラックはフロントに重量が集中しますが、このレーシングトラックは重量配分を考えて車体の中央に近い部分にエンジンを積んでいてミッドシップになっているので、見た目とは違って重量バランスはいいんですよ」とも語っていただきました。
![コクピットの中](https://clicccar.com/uploads/2019/10/tms2019-hinorally003-20191026085617-800x533.jpg)
「キャビン自体はトラックと共通部分も多いですがシートなどは違います。しかし一番の違いは横転しても守ってくれるロールバーなどの安全装備ですね」
実際、砂漠の地形では想像もできないような大きなギャップをジャンプしたりもします。サスペンションなどでショックを吸収していきますが、それでもバケットシートやシートベルトなどがなければ体が浮いてしまいます。そういった安全装備はレーシングトラックには必須なのです。
![東京モーターショー2019限定ステッカー](https://clicccar.com/uploads/2019/10/tms2019-hinorally004-20191026085617-800x533.jpg)
東京モーターショー2019の日野自動車ブースでは、展示されている2019ダカールラリー仕様のレーシングトラックのコクピットに実際に座ることができます。そしてその乗車体験をされた方にはオリジナルステッカーを配布しているとのこと。会場でこの迫力を体験してみましょう。
また2020ダカールラリーのマシンはすでに開催地のサウジアラビアに向け出港し、現在は海の上。
「パワー的にはやっとライバルに追いついた感じですが、これまではパワーよりもチーム力で10連覇を獲得しています。次戦はパワーとチーム力で11連覇を目指します」
2020年1月5日にスタートするダカールラリー2020サウジアラビアでの日野のレーシングトラックの活躍に期待しましょう。
(写真・文:松永和浩)