シートヒーターは乾燥機代わりになり、夏場の寒すぎるエアコン対策にも有効だった!

快適装備のシートヒーターは、高級車だけでなくスタンダードクラスの車種でも装着できるクルマが増えてきています。温める機能を利用できるのは冬だけではありません。今回は自動車ディーラー営業マン時代に感じた、シートヒーターの利点について解説していきます。

■暖房機能として有効

これから来る寒い冬の季節、クルマの暖房は水温が上がらないと効果を発揮しないので、寒い朝は暖まるまでつらい思いをしなければなりません。そこで効果を発揮するのがシートヒーターです。エアコンとは別に、バッテリーの電気を使って温めるシートヒーターは、エアコンから暖かい風が出てくるよりも、かなり早く温まってくれます。エンジンをかけて30秒もすると温かさがじんわりと伝わってきて助かります。クルマの中では最も早く温まる暖房機能です。合成皮革や本革シートは、シート素材自体の冷えが、モケット素材と比べて肌に直接伝わりやすいので、特に装着をおすすめします。

●シートが少々濡れても大丈夫

降雨時や降雪時、体に付いた雨粒を車内に持ち込んでしまい、座っているシートが湿っぽいままドライブということも多いと思います。こんなときにもシートヒーターは役に立ちます。ドライヤーをかけたように完全に乾かすということは無理ですが、シートと衣服の間のジメジメを取り除くことはできます。シートベンチレーション機能と併用すると、さらに乾燥は早くなります。梅雨時期やスキーシーズンなどには非常に使える機能です。

●夏でもシートヒーターは大活躍

シートヒーターは冬だけに使う機能と思ったら大間違いです。夏でも大きな効果を発揮します。

私がディーラーの営業マンをしていた時、とある夫婦と出会いました。旦那さんは大の暑がり、奥さんは冷え性の寒がりという夫婦で、車内の温度設定で揉め事の多いお二人でした。デュアルエアコンでの運転席と助手席の独立温度設定をしていても、旦那さんの適温は奥さんには寒すぎるようで、新車購入の際に相談をうけました。私は奥さんにシートヒーターのオプション装着をすすめました。

夏場利用価値の無いように思えるシートヒーターですが、冷えすぎる車内温度対策としてとても有効に使えます。冷え性の女性は多く、夏場の車内を男性の設定温度に合わせると寒いと感じる方は多いと思います。少し厚着をしたり、ブランケットをかけたりして調整している方もいますが、結構面倒です。冷房をつけた車内でのシートヒーターの利用は、車内の空気を暖めることなく、直接体を温めてくれるので夏場の冷えには効果抜群です。

ご夫婦にはシートヒーター付きの試乗車を1日使っていただき、シートヒーターの虜となった奥さんはオプション装着をして購入していきました。その後1年中スイッチをONにして助手席に乗っていました。その後も数多くの女性に夏場のシートヒーターの使用をすすめると、多くの女性が驚きと喜びの声をあげてくれました。女性にとってはオールシーズン使えるシートヒーターは、必須の装備と言えるでしょう。

●まとめ

定番の使い方から、ちょっと変わった使い方までシートヒーターの有効な使い方をあげてみました。特に男女の体感温度の違いから生まれる設定温度問題を解消するシートヒーターの使い方は是非試していただきたいです。快適装備の一つですが、シートヒーターがあることで心が穏やかになる経験を数多くしてきています。シートを温めるシートヒーターは、ピリついた車内の空気もあたたかくしてくれるのかもしれません。

(文:佐々木 亘)

 

 

この記事の著者

佐々木亘 近影

佐々木亘

大学卒業後、銀行員になるも3年で退職し、大好きだった車の世界へ足を踏み入れました。自動車ディーラー営業マンへ転職し、レクサス・セールスコンサルタントとして自動車販売の現場に7年間従事します。
現在はフリーライターとして独立し、金融業と自動車ディーラーでの経験を活かして活動中です。車にまつわる金融・保険・法規などの、小難しいテーマを噛み砕き、わかりやすい情報へと変換して発信することを心がけています。常にエンドユーザーの目線に立った、役立つ情報を届けていきたいと思います。
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