●モデル末期でも売れている「ゴルフ」シリーズにTDIモデルが追加
フォルクスワーゲンのラインナップにおいて最も売れている「ゴルフ」。モデル末期ですが、ついに(ようやく?)ディーゼルエンジン(TDI)モデルが導入されます。
発売開始は2019年10月1日。7人乗りミニバンのシャランにもTDIエンジン仕様が追加されます。
ハッチバックの「ゴルフ」、ステーションワゴンの「ゴルフ・ヴァリアント」に追加されたTDIは、150PS/3500-4000rpm、340Nm/1750-3000rpmというスペックの2.0L直列4気筒DOHCターボ「DFG」型。
すでに、ゴルフ・トゥーランTDI、SUVのティグアンTDIに搭載されているディーゼルエンジンと同じで、アウトプットも同値。
試乗したのは、ハッチバックよりも60kg重量増となるゴルフ・ヴァリアントTDI Highline Meister(マイスター)。ボディサイズは全長4575×全幅1800×全高1485mm。車両重量は1490kgで、WLTCモードの燃費は17.7km/L。
同エンジンはSCRシステムを搭載。NOxに対してマフラー内でAdBlue(アドブルー)を噴射することでNOxを分解。さらに、低圧タイプのEGRと高圧タイプのEGRを使ったコストの掛かったディーゼルエンジンといえます。
私自身は、ゴルフ・トゥーランTDI、ティグアンTDIに試乗したこともあり、トゥーランよりも140kg、ティグアンよりも240kg軽いゴルフ・ヴァリアントTDIがどれだけ走るのかが気になる点でした。
2.0L直列4気筒DOHCターボ「DFG」型エンジンは、ディーゼルらしい湧き出るようなトルク感というよりも実用エンジンとして不足のないパワーを発生するという印象で、ゴルフ・ヴァリアントTDIに積まれても印象は大きくは変わりません。
それでもトゥーラン、ティグアンよりも軽い分だけ重さを感じさせるシーンは少なく、フロントノーズのキビキビ感はガソリンターボのTSIには譲りますが、ステーションワゴンとディーゼルエンジンの相性の良さを感じさせます。
アクセルを少し強めに踏み込むか「スポーツ」モードに入れるかすれば、より鋭い加速も引き出せます。なお、トランスミッションは湿式の7速DSG。
音や振動は、アイドリング時や低速域ではディーゼルエンジンらしさを感じさせるシーンもありますが、走り出してしまえば気になるレベルではなく、購入を躊躇するような欠点にはなっていません。
ステーションワゴンのゴルフ・ヴァリアントに荷物をたくさん積んで、高速道路をメインにロングクルーズに出かけるという使い方において、とくにディーゼルエンジンの利点を感じさせるはずです。
ゴルフ/ゴルフ・ヴァリアントTDIの価格は、ゴルフが323万〜391万円。ゴルフ・ヴァリアントが337万〜405万円。シャランTDI Highlineが529万6000円。試乗車のゴルフ・ヴァリアントTDI Highline Meisterは特別仕様車で、価格は405万円です。
(文/塚田勝弘 写真/長野達郎)