全高を落としたワイド&ローのプロポーションとプジョー好きに響く味付け【プジョー508試乗】

●セダンから5ドアとなったフラッグシップモデル、プジョー・508

プジョー・508がフルモデルチェンジしました。最大の特徴は従来ノッチバックのセダンであったボディタイプがハッチバックの5ドアとなったことです。

プジョーの500番台は先代の508が登場したときに復活したシリーズです。508以前の500番台は505で、このモデルは1990年代に終了しています。508は400番台の407と、600番台の607を整理統合した上で登場したモデルで、それまで600番台が担っていたフラッグシップモデルの役目も受け継ぎました。

プジョーは真ん中に「0」のある車名を使い、進化ごとに数字を増やしてきましたが、そのままでは数字が足りなくなることもあり、現在はフルモデルチェンジしても同じ車名を使うようになっています。

新しい508の全長は80mm短縮の4750mm、全幅は5mm拡大の1860mm、全高は35mm短縮の1420mmとなりました。ホイールベースも20mm短縮され2800mmとなりました。プロポーションとしてはワイド&ローとなったといえます。とくにセダン系で35mmも全高を落とすのはなかなかの英断と言えます。

5ドアハッチバックといってもハッチ後端は水平に近い形状を持っていて、サイドスタインリングではノッチバックを感じさせるものとなっています。

デザインの決め手はヘッドライトからバンパー下に伸びたデイタイムランニングライトで、プジョーのエンブレムであるライオンの牙をモチーフにしていると言われます。またインテリアのスイッチ類には同じくライオンの爪をイメージしたデザインを採用するなど、プジョー好きに響く味付けを行っているところも特徴的です。

(文・諸星陽一/写真・前田恵介)

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諸星陽一

1963年東京生まれ。23歳で自動車雑誌の編集部員となるが、その後すぐにフリーランスに転身。29歳より7年間、自費で富士フレッシュマンレース(サバンナRX-7・FC3Sクラス)に参戦。
乗って、感じて、撮って、書くことを基本に自分の意見や理想も大事にするが、読者の立場も十分に考慮した評価を行うことをモットーとする。理想の車生活は、2柱リフトのあるガレージに、ロータス時代のスーパー7かサバンナRX-7(FC3S)とPHV、シティコミューター的EVの3台を持つことだが…。
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