メルセデス・ベンツのハイパフォーマンスブランドとして超高性能なロードカーをラインアップするAMGですが、1967年の設立当初はレーシングエンジンを開発するための設計/テストを行なうメーカーでした。
その後、AMGはモータースポーツ活動とロードカーのチューニングを行ない、その名は世界中に知れ渡ることになるのですが、当時のAMGは現在の関係とは違い、あくまでも「メルセデスベンツをベースに独自にチューニングを行なう独立系メーカー」の一つに過ぎませんでした。一連の活動のなか、1980年代後半にメルセデスベンツとの関係は深くなっていきました。
1990年にはAMGの製品が全世界のメルセデスベンツネットワークで販売されるようになり、1993年にはメルセデスベンツとの共同開発による初のコンプリートカー「C36 AMG」が登場しました。
そして「AMGがメルセデスに必要不可欠ブランド」という認識がより高まり、1999年に当時のダイムラークライスラーがAMG株の過半数を買収、更に2005年に出資比率を100%に引き上げ、完全にメルセデスベンツ傘下となりました。
その後、AMGはラインアップを大きく拡大し、今ではコンパクトハッチのAクラスからクロカンSUVのGクラスまでほとんどのモデルにラインアップされています。
さらにSLS AMGやAMG GTなどベースモデルを持たない独自のモデルも登場するなど、コンプリートカーブランドの域を超え、「小さな自動車メーカー」と言っても過言ではないでしょう。
そんなAMGの屋台骨を支える最量販車種は、Cクラスがベースのモデルです。古くはC43 AMG/C55AMGnと言ったコンパクトなボディに高出力の大排気量エンジンを搭載……といった、ある意味『チューニングの王道 』を経て、AMGが独自開発したV8-6.2Lエンジンを搭載した先代C63 AMGなどが有名ですが、その最新版となるのが4代目CクラスをベースにしたAMG C63/C63Sです。
そのAMG C63/C63Sが、2018年に初の改良が行なわれました。マイナーチェンジながらも6500箇所の改良が行なわれ「Cクラス史上、最も大規模なフェイスリフト」と話題となっているノーマルのCクラスに対して、C63シリーズは実にAMGらしいマニアックな変更が行なわれています。