欧州で脱ガソリンエンジン、脱ディーゼルエンジン車が議論され、フランスや英国は規制に乗り出すと発表しています。さらに、トヨタは2015年に「ほぼ脱ガソリンエンジン」を宣言。「2050年にグローバル新車平均走行時CO2排出量を90%削減(2010年比)」すると発表しています。
電気だけで走るいわゆるローカルエミッションだけでなく、ウェル・トゥ・ホイール(井戸から車輪まで)までのC02削減と電力不足の懸念、さらにはバッテリーのリサイクル確立など課題は山積していますが、すでに電動化に向けて新旧、業種を問わず、各メーカーが走り出しています。
国を挙げてEVの開発と普及に取り組んでいる中国、そして欧州も動きは急で、BMW(MINI)ももちろん例外ではありません。MINIは「フランクフルトモーターショー2017」にMINIエレクトリック・コンセプトを出展すると発表しました。
将来の都市部におけるパーソナル・モビリティの形を提示するコンセプトカーで、都市近郊で使用することを想定してデザインされ、今後ピュアEVによる日常がどのようになるのかを示すとしています。
MINIならではのデザインはもちろん、都市生活者にマッチするモデルとして、そしておなじみのゴーカート・フィーリングをEVに組み込むとしていて、MINIは2019年にピュアEVの量産モデルを発表する予定とのこと。
振り返ると、MINIは2008年にEVのMINI Eを設定しています。そのMINI E登場からほぼ10年が経過し、BMWグループでは「量産可能なEVの開発の基礎を築き上げた」としています。なお、600台以上のMINI Eが世界中で運行を開始し、ピュアEVについての重要なノウハウを獲得し、その後のBMW i3の開発にも活かされたそうです。
航続可能距離などのスペックは現時点では明らかにされていませんが、MINIならではのデザインを具現化したと胸を張るMINIピュアEV。実用になるスペックを備え、価格次第ではコンパクトEVの台風の目になるかもしれません。
(塚田勝弘)