グッドイヤーが3種類の自動運転向けコンセプトタイヤを発表

「Eagle360」という、ボールのような球体のコンセプトタイヤを提案しているグッドイヤー。新たなコンセプトタイヤを「ジュネーブモーターショー2017」で一挙に3種類発表しました。

いずれも自動運転時代に向けたコンセプトタイヤで、未来志向型タイヤのあり方とその革新的技術を提案するもの。

まず、「Eagle360 Urban」は、昨年発表された「Eagle360」にAI技術を搭載することで、タイヤに「頭脳」としての機能を与えたもの。バイオニックスキンと呼ばれるタイヤ表面には、センサー技術が搭載され、路面状況や天候気象を感知し、AI技術が指示を促すことによってタイヤトレッド表面が凹凸により変形し、より安全な走行が可能だそう。まるで「生きたタイヤ」。

2つ目の「IntelliGrip Urban(インテリグリップ アーバン)」は、センサー技術を搭載したトールアンドナロータイヤという位置づけ。シェアカーが普及した未来都市環境での電気自動運転へのソリューションとして、安全性とエネルギー効率に寄与するのが特徴です。


「IntelliGrip Urban」にも高性能なセンサー技術が搭載され、路面状況や気象状況を察知し、EVのコンピューターシステムに送ることで、スピード、ブレーキ、ハンドリング、安定性を最適化。

さらに、トールアンドナロータイヤの形状は、走行距離を向上させ、低い転がり抵抗によりエネルギー効率の向上を達成。センサー技術により、タイヤに関連する損傷を未然に防ぐことが可能となっています。

3つ目は、同モーターショーでトヨタが初公開したコンセプトモデル「トヨタi-TRIL」向けに特別仕様に開発した最新のコンセプトタイヤ「City Cube(シティキューブ)」。「CityCube」は、高性能なセンサー技術と独自のトレッド形状により、あらゆる路面状況を感知することで先進衝突防止システムに寄与するというコンセプト。

トヨタ「i-TRIL」には、車体を傾けて曲がるアクティブ・リーン技術が投入されていますが、グッドイヤーの担当者は設計の際に、アクティブ・リーン技術に触発され、二輪車用タイヤの形状を思い描いたそう。

その結果、独自性の高い異なる輪郭形状のタイヤを前後輪に装備。トールアンドナロータイヤをフロントに、より幅広の非対称設計形状タイヤをリヤに装着されています。


フロントは、傾斜が可能なホイールになっていて、トールアンドナロータイヤへの両方向からの装着が可能。これにより、安定した走行が可能で、より大きなリヤタイヤにより水を排出し、グリップ力が強化されています。リヤタイヤは、コーナリングの安定性に寄与し、内側が硬く非対称形状となっています。

完全自動運転時代が到来すればタイヤに今よりも多くのセンサーが装着され、形状もまた従来のドーナツ型から変わるかもしれません。


(塚田勝弘)

この記事の著者

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塚田勝弘

1997年3月 ステーションワゴン誌『アクティブビークル』、ミニバン専門誌『ミニバンFREX』の各編集部で編集に携わる。主にワゴン、ミニバン、SUVなどの新車記事を担当。2003年1月『ゲットナビ』編集部の乗り物記事担当。
車、カー用品、自転車などを担当。2005年4月独立し、フリーライター、エディターとして活動中。一般誌、自動車誌、WEB媒体などでミニバン、SUVの新車記事、ミニバンやSUVを使った「楽しみ方の提案」などの取材、執筆、編集を行っている。
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