ベアリングメーカーのNTNは、今後、自動車の駆動・制御の分野で普及が見込まれるバイワイヤ制御に不可欠な、汎用性の高い「電動モータ・アクチュエータ」のシリーズ製品を5月25日~27日にパシフィコ横浜で開催された「人とくるまのテクノロジー展2016」に出展しました。
近年、航空機では電線(ワイヤ)を使って操舵するフライバイワイヤ技術が広がっています。自動車分野でも自動運転化や低燃費化が求められており、たとえばブレーキやシフト操作のシステムにバイワイヤ制御を中心とした電動化が急速に進められています。
この駆動・制御の電動化に欠かせないのが、ワイヤから送電された電気でシステムを動かすモータで、同社は自動車分野のバイワイヤ制御に最適な「電動モータ・アクチュエータ」のシリーズ製品を開発したことになります。
NTNは、同軸タイプと平行軸タイプのふたつの「電動モータ・アクチュエータ」のシリーズ製品を出展しました。このシリーズ製品では構成部品や諸元を共用化するとともに、形式やサイズにバリエーションを持たせたラインナップを揃え、個別設計を不要にして開発期間を短縮することができるようになっています。
同社では「電動モータ・アクチュエータ」のシリーズ製品を、まずは車載用途に拡販を計り、将来的には自動車だけでなく幅広い分野へ適用することを目指しています。
最近の乗用車では、サイドブレーキに電動化が広がっていますが、今後フットブレーキやシフト操作にも電動化が進むことが予想されます。
(山内 博・画像:NTN)