5月19日に東京ビッグサイトで開催された「N+(エヌプラス)~新たな価値をプラスする材料と技術の複合展」にてセミナーに参加してきました。
テーマは「SIM-LEIの車体設計概要」で、講師はSIM-LEIのボディ開発を担当した小松 隆氏。小松氏は元ホンダのエンジニアで、現在は慶応義塾大学の教授であり、オリジナルEV開発プロジェクトを進めるSIM-Driveのボディ開発部の部長。自動車のボディ開発の専門家です。
その小松氏が、先ほど発表されたSIM-DriveのオリジナルEV「SIM-LEI」のボディの開発の実際を紹介するセミナーでした。
で、セミナーの内容として「SIM-LEI」の話は、それはそれで興味深いものでしたが、僕が一番に印象的だったのは次の言葉です。
「電気自動車が世界に広がるためには、既存の自動車メーカー以外でも参入できる構造にすることが極めて重要。そのためにはモノコックボディ構造から次世代ボディ構造へ」
どういうことかといえば、「EVが普及するには新規メーカーの参入が必要。そのためには新しい人たちも参加できる安い次世代ボディ構造がなければいけない」ということです。
考えてもみてください。今、オリジナルEVを作ろうと思ったとき周りを見渡すと何があるのかを。モーターは売っています。電池も制御するインバーターもタイヤもホイールも売っています。唯一、売っていないのはボディなのです。
つまりオリジナルEVを作って売りたい! という新規参入者は自分たちでオリジナルのボディを作らなくてはいけません。ですが、従来どおりに鉄板をプレスしたもので作ろうとすると、べらぼうな資本が必要になります。最初の投資が非常に高額なんですね。小さなベンチャーには非常に高いハードルです。それを指摘したのが、先の小松氏の言葉です。
そして、その解決策を次のSIM-DriveのEVで披露しようとぶちあげたのです。次に続くベンチャーが「この方法なら、僕らもEVビジネスに参入できるぞ!」という、非常に安いものができるというのです。
もしも、それが実現すれば、それはそれは画期的な出来事。今年度中に完成して、来年の2012年3月にお披露目する予定だとか。どんなクルマが出てくるのか楽しみですね。
<鈴木ケンイチ>