日本でのエクストレイルは、2代に渡り「タフ&ボクシー」を訴求してきました。一方で、欧州ではキャシュカイ、米国ではローグのようにスタイリッシュな兄弟車を展開。つまり日欧米で「タフギア」と「スタイリッシュ」を造り分けていたのですね。そこで新型エクストレイルは、両方のニーズを融合。更に新デザインと新技術を積極的に取り入れ、世界戦略を担う「スタイリッシュ・タフギア」に生まれ変わったのです。
■「らしさ」を継承しながらよりスタイリッシュに!
新型エクストレイル開発責任者の塚田CPS(チーフ・プロダクト・スペシャリスト)は、国内市場ではタフギア・イメージの限界を、また海外市場では非効率な兄弟車戦略の限界を実感していました。そこで開発目標を「タフな走破性能とスタイリッシュなデザインの両立」に設定。新技術や新デザインを果敢に取り入れると共に、3列シートやHV仕様も追加。3代目となる新型エクストレイルは、戦略的なグローバルモデルとして開発されました。
■モジュール工法や自動ブレーキ等の新技術が満載!
新型エクストレイルは、ボディを5つのモジュールに分けて、セダン・ミニバン・SUVを造り分けるモジュール工法(CMF)を、日産で初めて採用。サイズアップにも関わらず、軽量化とコスト低減を達成しました。また単眼カメラ式の自動ブレーキが斬新で、前車画像の大きさと形から距離の割り出しに成功。光学的には単眼カメラでの距離測定は不可能ですが、全く異なる発想と技術で、見事に実現しました。
■「継承と進化」を目指して、次世代デザインを採用!
デザインチームは、今後タフギアの嗜好がより洗練されていくと解釈。そこで新型エクストレイルでは、日産の次世代デザインを採用しました。進化の見せ場は、フロントフェンダーからいったん下がりリアに向けて上がっていくキャラクターラインとVモーション・グリルです。また一方では、前後フェンダーの量感バランスから水平基調を演出し、従来イメージを表現。しっかり、従来の「らしさ」も継承しているのです。
新型エクストレイルの実車を見た第一印象は、「随分イケメンになっちゃったなあ!?」でした。従来のタフギア路線で見れば、そう感じますよネ。もともと歴代エクストレイルは、「タフギア」ぶりが本物志向ユーザーに認められた実力派でしたから、新型は「スタイリッシュ・タフギア」として、更に新たな市場を切り開いていくと感じました。
(拓波幸としひろ)