1964年登場の初代以来、900万台以上を売り上げてきたフォード・マスタングは、来年50周年を迎えます。初代はT型フォード以来のヒット作といわれたほどで、普通の人でもなんとか手が届くスポーティカー、というのがコンセプトだったようです。エクステリアでは逆スラントしたフロントノーズが印象的ですが、スティーブ・マックイーンの代表作といえる『ブリット』など、映画の中で疾走する姿に憧れた人も多いはず。
現行マスタングには何度か試乗していますが、操作性など随所に新しさを感じさせる一方で、ゆったり動く足やハンドリングなどは古き佳きアメリカンスポーツという味わいも残っています。
さて、次期型マスタングですが、ロングノーズ&ショートデッキのプロポーションは健在で、さらに、3連のリヤコンビネーションランプ、「シャーク・ノーズ」と呼ばれる逆スラントのフロントノーズ、そしてエンブレムの「ギャロッピングホース」など、ひと目でマスタングとわかる伝統的なデザイン要素を残しながら、現代的なアプローチにより最新スポーツカーにふさわしい雰囲気を漂わせています。
パワートレインは、V6とV8エンジンに加え、現在のフォードが誇るグリーンエンジンである2.3Lの「EcoBoost」も加わるとのこと。マスタングが2.3Lか! と驚かされますが、ダウンサイジング、シリンダーレスの流れはアメリカンスポーツでも例外ではありません。トランスミッションは、セレクトシフト付のATが組み合わされます。
また、前後ともに新開発のサスペンションシステムが用意されているのも注目点で、フロントはマクファーソン・ストラット式。フロントには、軽量で高剛性のペリメーター型のサブフレームを、リヤにはインテグラルリンク式独立サスペンションが新採用されています。
インテリアはフォーカスと同様に、航空機から得たインスピレーションを反映させたもので、ドライバーに瞬時に必要な情報を提供するだけでなく、エルゴノミクスによる優れた操作性の高いコックピットを実現。
クオリティも高められており、細部までクラフトマンシップを追求し、質感の高いインテリア空間を確保したほか、フォーカスやクーガなどでもお馴染みのドライバーコネクトテクノロジーの「SYNC」も装備されています。
(塚田勝弘)