オリジナルの車両を展示したイケヤフォーミュラですが、じつはその前に、注目すべき機構を開発していました。展示車両にももちろん搭載されています。東京モーターショー2日目には、池谷社長がその機構の紹介を行いました。
その機構とは、「シームレストランスミッション」です。シフトアップ時に、独自のアクチュエーターを使ってクラッチの動きとギヤチェンジの動きを連動させ、トルクの途切れなく変速することを可能にした機構です。
この機構には7つのメリットがあるそうです。
1.トルコンATなどより伝導効率がいいため、燃料消費量が少なく、二酸化炭素の排出量も少ない。
2.機構が比較的シンプルなので、ATなどよりも生産コストが安い。
3.マニュアルトランスミッションとほぼ同等の小型軽量
4.ツインクラッチではなくシングルクラッチで実現できる。
5.クラッチとシフトチェンジの操作をモーターにするか手動にするかは、クルマの性格によって選択できる。
6.ほとんど現行の生産設備のまま生産できる。
7.変速時のトルク切れがないため、乗り心地がよく、燃費もいい。
ギヤはシンクロ付きではなく、ドッグギヤを使っています。そのギヤのあいだを行き来するハブのガイドとなるミゾの形状に工夫をして、回転差を利用して抜くんだとか。従来の市販車のギヤボックスを使いつつ、この機構を組み込むことも可能です。
下の画像が、クラッチとギヤチェンジの操作を連動させるアクチュエーター。自動変速の際は、これをモーターで動かすそうです。これが製品化されれば、素早くしかも変速ショックのない魅力的なトランスミッションが安価に実現しそうです。
また、イケヤフォーミュラのブースではそのほかにもオリジナルのLSDや車高調整式ダンパーも展示されていました。
(まめ蔵)