待ち望んでいたブリヂストンタイヤが手に入ったのは、第2戦の舞台となるSUGOへ入る直前になってしまいました。そのため、ぶっつけ本番でSUGOへと持ち込むことになってしまったのです。
しかし1日早く入って、SUGOのスポーツ走行でテストすることになりました。そして、そこには多くのライバルが走っていたのです。ただし天気はあいにくの雨。どうもDTECチーム・マスターワンは、テストをしようとすると、いつも雨! といった宿命であるかのようです。
実際に走り始めると、ブリヂストンタイヤの感触は想像以上に良く、ウエットでは難しいかもしれない、という予想は裏切られました。しかも、ライバルと想定したマシンのラップタイムよりも、かなり速いタイムで周回していくのです。本当なのか? 疑心暗鬼になるほどのタイム差があったのです。
レース前日の練習走行も、やっぱり雨。しかも最終的には豪雨に近くなってしまいました。そのタイムは、なんと全体で2位! いきなりトップレベルの速さをマークしたのです。
予選は前日の雨が霧に変わり、やや路面は湿っているものの、走行ラインは完全にドライになりました。ブリヂストンタイヤで、初めてのドライ路面が、なんと予選ということになってしまったのです。
前日からセッティングをドライ向けに修正して、坂本選手を送り出しました。今回もエントリー数が多かったので、2つの組に分かれて予選を戦います。その1周目、坂本選手はトップタイムをマークしました。カーナンバーの76という数字が、1位の場所に表示されました。
しかしコース上は結構混雑しているので、速く走れば前のマシンに追いついてしまい、次の周にはタイムを出すことができません。そこでベテランらしく、坂本選手はクールダウンさせてアタックするためのスペースを作り出します。そして再び全開でアタックを始めました。コース前半はやはり自己ベストを0.5秒近く上回るペースで進んでいましたが、後半でコーナー出口ではみ出てしまい、タイムロス。結果としてタイム更新はできませんでした。
予選後半に少しタイムアップを果たしますが、結局4位というポジションになりました。しかしトップとの差は0.4秒以下。トップレベルの速さを見せることはできました。
ただ勝負はあくまでも決勝。予選で見せた速さを、結果に結びつけられるのか? 期待してみたい。
(岡村 神弥)