米国に於ける2013年度1-6月の新車販売累計は783万台(前年比+7.7%)、6月単月で見ても140.4万台(同+9.2%)と好調に推移しています。
中でもGMは142万台(同+8%)を売り上げており、フォードが129万台(同+13.1%)、クライスラーが90.8万台(+8.9%)といった状況。
そうした中、米ビッグスリーが本社を置く「自動車の街」、ミシガン州デトロイト市が7月18日、連邦破産法第9条の適用を裁判所に申請し、財政破綻しました。
俄かには信じられないかもしれませんが現実の話。
ビッグスリーは政府による税制優遇などにより、2009年のリーマンショックに端を発する経営破綻から急速に息を吹き返しましたが、その過程で工場の閉鎖や生産の海外移転が進んだ為、人口流出が加速、同市の税収が減り続けていたと言います。
日経新聞によると、同市の負債総額は180億ドル(約1兆8000億円)以上で、米自治体の破綻としては過去最大となる模様。
ミシガン州のリック・スナイダー知事は18日、デトロイト市の破産申請を認可。「負債の規模は持続不可能な水準だ」とする声明を出したそうです。
同市の歳入のうち38%が負債の支払いや、「レガシーコスト」と呼ばれる年金、医療費負担などに費やされており、放置するとその比率は2017年までに65%まで高まるとの予測も。
スナイダー知事は3月に財政悪化に伴う財政非常事態を宣言、破綻回避に向けて債権者と交渉を続けるも、再建に目処が立たず6月に債務返済不履行に。
かつては200万人近かった人口が、現在では約70万人にまで縮小しているとか。
自動車工場で働く中流階級も多くが郊外に居を構えており、近隣自治体と同市の税収格差が顕著になっていたそうです。
今回のデトロイト市の財政破綻に関して、同市で毎年開催されるデトロイトモーターショーの主催者ロッド・アルバート代表は公式サイトを通じて、「デトロイト市の財政破綻はモーターショーには何ら影響は無いだろう」との声明文を発表。
一方でブルームバーグによると、デトロイト市と自動車産業の繁栄との結びつきは、ここ60年の間に薄れており、自動車メーカーからの税収を当たり前のように享受出来ると長い間に渡って思い込んでいたデトロイト市の再建は自動車メーカーほど迅速には進まない可能性が高いとの見方も有るようです。
■米ミシガン州 デトロイト市 Webサイト
http://www.ci.detroit.mi.us/