インタープロトに同乗! リアルレーシングカーのハンパないグリップに感動!!

プロとアマチュアのドライバーが車両をシェアして競い合うレース「インタープロトシリーズ」が開幕しました。

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「プロとアマチュアでシェア」???よくわからないと思いますが、オーナーであるアマチュアのジェントルマンドライバーのレースシリーズと、その車両を用いたプロドライバーのシリーズが行われます。オーナーは自分自身の腕で競うことができて、同じ車両で闘うプロの走りを見て自分の走りに取り入れたり、応援したりできるのです。

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その車両とは、シリーズのために専用設計された国産レーシングカーでその名も「kuruma」。排気量3950ccのV6エンジンが搭載され、シャシーはカーボンモノコックとパイプフレームのハイブリッド構造により、ドライバーの安全確保も重視したもの。実車を見ると、意外に大きく、長く感じるのはクラッシャブルエリアをレーシングカーとしては十分に設けたことがうかがえます。

気になる価格は車両が2180万円。メンテナンスとタイヤ4セットで年間1000万円。翌年からは1000万円でレースシリーズに参戦できて走らせることもできるわけです。

インタープロト_08耐久レースで複数のドライバーが同じクルマで走ったり、草レース用に一台の車両を友達同士でシェアすることはあっても、同じ車両で別のカテゴリのレースに複数のドライバーが乗るレースは非常に珍しいでしょう。

もうひとつ、他のレース専用マシンと違っているのは、助手席があることです。

この助手席を利用して、プロのレーシングドライバーによるプロの走りを体感することができるんです。

先日、クリッカーでも読者のみなさまに告知して、選ばれし3名の好運な読者のかたに同乗していただきました。

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高野さんは、「途中、コーナーで16号車と4号車に抜かれて、どうなるかと思ってましたけど、最後に抜き返してくれて気持ちよかった。横Gはスゴかったけど、ドライバーが握ってたらいい場所を教えてくれたので、身体は安定してました!」と、模擬レースシーンを中継してくれるイキオイで降りて来られました。

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三井さんは、「グリップ感がここまであるのか!と思いました。それに加速のとき、自分の後ろからスゴいエンジン音が聞こえてきて、感激しました!」と、普段見ているGTレースと比べても感動のようす。

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藤田さんは、「以前、富士スピードウェイはホンダCR-Zで走ったことがあるんですが、横Gが全然違いますね。ここまで違うのか!って思いましたね」とご自身で走った経験と比較して、その違いに驚かれていたようです。

という私も同乗させていただきました。正直言って、私は色んなクルマに乗ってますし、サーキットなどの同乗も、特にドリフト走行の助手席はかなり乗ってます。

そんな自分も、この同乗は別格でした! とっても乗り込みにくい「kuruma」、走り出す前から特別感がワサワサします。

インタープロト_24同乗走行はローリングスタートです。ローリングスタートって助手席はもちろん運転席でも経験なく初めてだったんですが、ゆっくりと(といっても結構スピードは出ている)走っていて、いつの間にかシグナルが青に変わるといきなりフルスピードで加速していきます。と思ったらフルブレーキですぐに1コーナーに差し掛かり、「おおおーっ」という間もなく前後左右のクルマ(ホントは後ろは分からなかったけど)が渋滞で詰まった料金所から性格の悪いドライバーたちが割り込み合っていくくらいの距離感で1コーナーを曲がっていきます。

インタープロト_23その曲がる感じを例えるなら、事務所のデスクのビジネスチェアに座ったまま「クルッ」と回された感じ。ガツンと来るわけではなくじわっと強まる横Gがかかるのも一瞬のイメージです。コーナーを走っているというより回っているくらい、それほどグリップしてクルマが旋回しているんです。あっ、旋回っていうのがホントに実感できたんですね。まさに「コーナリング走行」と「旋回」の違いってくらい、普通のクルマとの違いがあるんです。

その曲がっているときは前後左右(やっぱり後ろは分からなかったけど)の車両は窓を開ければ手が届くくらいの距離。こんなスピードで安全車間距離を取らずに走るって、余程周囲のドライバーも同じことができなきゃムリですよね。独りだけブレーキや加速やコーナリングラインが極端に違ったらアブナくってしょうがないですもんね。

いや、こんなにグリップする自動車って初めて乗りました。富士スピードウェイって自分で走ると結構長く感じるんですが、それがあっちゅー間に終わってしまいました。その様子がこちら。

 

聞くところによると、「kuruma」の車両の性能としては一昨年くらいのGT300マシンに近いのでは、とのことです。ドライバーを務めていただきました田中哲也選手によると「これで本番の7割くらいの走り」だそうです。え〜!

それにしても面白い体験をさせていただきました。

そうなんです。このレースをプロデュースする日本人初のルマン24総合優勝者でありトムスの監督である関谷正徳さんが伝えたいのはクルマの面白さだそうです。インタープロト_18

乗って面白い、走って面白い、見て面白い、というのをレースを活用していかにして伝えるかがインタープロトであり、その中のひとつの手段がサーキット同乗走行なのです。

2013年インタープロトシリーズはあと2戦あります。クリッカーでも同乗体験や入場招待券プレゼント企画をやりますので、ぜひお楽しみに!

(小林和久)

 

 

 

この記事の著者

小林和久 近影

小林和久

子供の頃から自動車に興味を持ち、それを作る側になりたくて工学部に進み、某自動車部品メーカへの就職を決めかけていたのに広い視野で車が見られなくなりそうだと思い辞退。他業界へ就職するも、働き出すと出身学部や理系や文系など関係ないと思い、出版社である三栄書房へ。
その後、硬め柔らかめ色々な自動車雑誌を(たらい回しに?)経たおかげで、広く(浅く?)車の知識が身に付くことに。2010年12月のクリッカー「創刊」より編集長を務めた。大きい、小さい、速い、遅いなど極端な車がホントは好き。
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